静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

試合内容では圧倒するも引き分ける vs栃木ウーヴァFC

ここまでアウェイ戦を5試合戦って、成績は3分2負の未勝利。アスルクラロ沼津にとって鬼門とも言える敵地での戦い。ここを克服しなければ上位進出は考えられない。前節はホームで完封勝利を収めているだけに、栃木に乗り込んでの今節は、なんとしても勝ちたいところ。そんな中、町田にあるアスルクラロ東京や埼玉県にあるFCアスルクラロ八潮などの子どもたちを含め、駆け付けたサポーターはアウェイにもかかわらず100人に近い。その声援は選手たちの大きな力になった。

悔やまれる引き分け

前半25分、尾崎瑛一郎が右足で放った思い切りの良いシュートで先制するも、すぐにコーナーキックからの流れで隙を突かれて失点。
 
さらに後半12分には、相手のシンプルな攻めに押し込まれて失点。途中出場した木暮郁哉が、村上聖弥のチャンスメイクから今季初ゴールとなる同点弾を決めるも、逆転には至らず。そのまま2-2の引き分けとなった。
 
「複数得点を取れているのに勝ち切れないのは、僕たち守備陣が踏ん張れないから。試合内容はうちのほうが良かっただけに、申し訳ない気持ちと悔しい気持ちでいっぱいです」
 
今季、FC町田ゼルビアからアスルクラロに移籍し、チームのゴールマウスを守り続ける石田良輔は試合後、悔しさをにじませた。
 

両ワイドを上手く使ったパスサッカー

パワープレーと言われるシンプルな攻めをするチームが多いJFLにあって、望月一仁監督が率いるアスルクラロはパスサッカーを目指している。開幕からここ数試合を見ると、その完成度は確実に高まってきている。それが見事に実った前節は3-0の完封勝利。
 
この日も、ディフェンスからゲームを組み立て、序盤から試合の主導権を握る。両サイドバックが起点となり、遅攻と速攻を上手く使い分け、徐々に相手ゴールを脅かしていく。
 
前半17分。ここ数試合、キレのある動きでチームに良いアクセントを加えている左サイドハーフの村上聖弥が、相手を引きつけ中央にいる岡庭和輝へ。タイミングよく逆サイドを駆け上がった尾崎にボールが渡ると、相手ディフェンダーを寄せ付けない素晴らしいトラップ。相手ゴールキーパーの足元に蹴りこんだ豪快な右足でのシュートが、ゴールに突き刺さった。
 
 
しかし、望月監督が試合後「得点が入ってから少し急ぎすぎてしまいました。もう少し自陣で試合を作っても良かった」と話したように、得点を決めた後、もう一点という気持ちが前に出すぎて、少し攻め急いでしまった。
 
その隙をついた栃木ウーヴァFCがコーナーキックを獲得し、そのこぼれ球を押し込まれて同点に。
 
その後も主導権はアスルクラロが握るも、決定的な場面が作れないままハーフタイムへ。
 

途中出場の木暮郁哉が今季初ゴールとなる同点弾!

後半開始早々、危ない場面を迎えるも事なきを得ると、右サイドで尾崎と柳澤のワンツーからチャンスが生まれ、ファウルを受けフリーキックを獲得。絶好の位置からのこのFKも、シュートにつながらない。
 
すると後半12分。ウーヴァの長身フォワード、若林学に向けたロングボールから生まれたチャンスに、安間ム月が左足でシュート。逆転ゴールを許してしまう。
 
劣勢に立たされたアスルクラロは、チーム1のテクニックを誇る木暮を投入。
 
「途中交代した選手に、特別な指示はしていません。自分たちのやり方を変えるなと言いました」
 
と望月監督も言うように、攻め方が悪いわけではないアスルクラロにあって、パワープレーに移行するのは得策ではない。
 
チームは冷静だった。すると、後半21分に途中交代した小暮が結果を出す。裏に飛び出した村上が相手を引きつけたうえで、フリーの小暮へ。そのパスを冷静にゴールへ蹴りこみ同点に。
 

悔しさをバネにホーム2連勝へ

「最後は技術よりも気持ちが重要だと思っています」
 
そう話してくれたように、小暮は気持ちの入ったプレーで奮闘。そして、後半41分。彼にビッグチャンスが訪れる。
 
小暮とのワンツーパスでタッチライン際まで駆け上がった尾崎が中央で待つ小暮にセンタリング。しかしそのシュートは惜しくも相手ゴールキーパーに阻まれる。
 
「点を取ってチームを勝たせたかった。もう1点が取れなかった。責任を感じますし、とにかく悔しいです」
 
試合後、しばらくグラウンドに突っ伏した姿が印象的だった小暮。相当悔しかったようだ。自身の調子も上向かない中、今節こそはと気持ちが入っていた。それは試合後の彼の表情からもうかがい知れた。
 
小暮だけではない。チーム全体で、悔しいと思う気持ちが、以前よりも強くなっているように思える。それは、自分たちがやりたいサッカーが以前よりもできている証拠だ。正直、内容は悪くないからこそだ。
 
しかし、サッカーは結果がすべて。結果を出すための選手たちの奮闘に期待したい。
次節は、ホーム2連勝が懸かるMIOびわこ滋賀戦。絶対に勝ち点3が欲しい試合だ。
 

DATA

試合結果

ファーストステージ第10節(会場:栃木市総合運動公園陸上競技場)
栃木ウーヴァFC(2-2)アスルクラロ沼津
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 31.尾崎瑛一郎 2.東間勇気 3.西村竜馬 8.犬塚友輔 MF 17.岡庭和輝(→11.緑悟[後半38分]) 7.村上聖弥 20.高野光司 16.中野翔太 FW 14.柳澤隼(→9.畑直樹[後半26分]) 6.真野亮二(→10.木暮郁哉[後半19分])

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