静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

勝負のセカンド・ステージ開幕戦 vsファジアーノ岡山ネクスト

-JFLセカンド・ステージ第1節(2014.07.21)-

7月19~21日の3連休に開幕したJFL(ジャパンフットボールリーグ)のセカンド・ステージ。静岡県東部地区から初の「J」を目指すアスルクラロ沼津にとって、1つとして気を緩められる試合はない。J3昇格の最低条件は年間順位4位。ファースト・ステージの成績は勝点14の7位。セカンド・ステージは10勝3分以上の結果が求められる。アスルクラロのポテンシャルを考えれば、これは実現不能な数字ではないはずだ。そして開幕戦の相手は、ファジアーノ岡山ネクスト(ファースト・ステージ10位)。ファースト・ステージでは2-2の引き分けだっただけに、勝点3がほしいところだ。

シュート数で相手を上回るも引き分けに終わる

「今日は(セカンド・ステージの)開幕戦ということで、選手たちの気持ちが入りすぎて、少しミスが多かったかなと思います」と試合後の会見で望月一仁監督が語ったように、勝ち続けないといけないセカンド・ステージということで、気負いしてしまった部分もあったのかもしれない。
 
選手の気合は十分。ゴールに向かう迫力ある攻撃も見られた。シュート数も、ファジアーノの16本より多い、17本のシュートを放った。それでも相手ゴールを破ることはできず、0-0のスコアレスドローという結果に終わった。
 
「前半10~15分くらいまではいい流れでペースを掴んでいたんですけど、そこからは攻め込まれるシーンが増え、後半25分くらいまでずっとペースを握られました。最後の15分でようやくうちの流れになったかなと思いますけど」
 
最後尾でゴールマウスを守るキーパーの石田良輔が、悔しそうな表情で話したように、攻め込まれるシーンが多く、チャンスという意味では、ファジアーノに分があった。石田のビッグセーブによって、何とか失点ゼロに抑え、引き分けに持ち込むことができたとも言える。
 
しかし、明らかにファースト・ステージよりもレベルアップしているプレーが随所に見られ、期待を抱かせてくれる内容だったとも感じた。
今節の観客数は2,365人と、JFL全会場で最も多かった。そんなサポーターのためにも、次節は勝利を飾ってくれるに違いない。

30度を超える気候の中でどう戦うか

セカンド・ステージの開幕戦ということもあり、この日のアスルクラロは気合十分。前半のキックオフとともに、試合のペースを掴んだのはアスルクラロだった。
 
特にポジションの流動性が、ファースト・ステージよりも格段に質が上がったようだ。
 
「ポジションを少しいじりました。後ろのほうはその週の調子のいい選手を使えるような形を取れるようにしました」と望月監督が話すように、この日はサイドバックを務めていた尾崎瑛一郎がアンカー(中盤の底)に、中央でプレーすることの多かった高野光司が右サイドバックに入ったが、そのポジションに固執するのでなく、うまく各選手が連動してポジションを入れ替えていた。
 
しかし、前半20分ごろからチームのポゼッションサッカーがうまくハマらず、相手のツートップ藤岡浩介と小林秀征が惜しいシュートを放つなど、攻め込まれるシーンが増えてしまう。しかし、ぎりぎりのところでブロックし、何とか前半をスコアレスで折り返す。

新加入・蔵田岬平のシュートは惜しくもゴールを割らず……

その状況は後半に入っても変わらない。
 
「速い攻めだけだと1試合もたないので、繋ぐところは繋ぐ。今日はその繋ぎのところが雑でした。(中断期間に)練習してきた速い攻めというのは意識が高くできたんですけど、逆に今度はゆっくり繋いで攻めるというのがうまくいかなかったかなという気がします」
 
この望月監督の言葉通り、松本山雅FCから新加入した突破力のあるフォワード蔵田岬平を中心としたカウンター(速い攻め)は機能するものの、しっかり繋ぐ遅攻がうまくいかない。逆にイージーなミスでボールを奪われて、相手のペースの時間が続いてしまった。
 
「チームで意識して“カウンター”に取り組んだんですが、やはりそれだけだとダメで、繋ぐところは繋ぐというマネジメントができないとですよね」と高野光司が冷静に試合を振り返る。
 
それでも、何とか相手の攻撃をディフェンス陣がゼロに抑えると、残り15分でようやくアスルクラロのペースになる。途中交代で入った真野亮二や左サイドハーフの村上聖弥、そして蔵田が立て続けにシュートを放つなど、チームは幾度となく相手のゴールを脅かすも、得点を奪うまでには至らず試合終了のホイッスルとなった。

PICK UP

アスルのゴールマウスを守る石田良輔が目指すもの

「ファースト・ステージでも狙っていましたけど、セカンド・ステージこそはリーグ最少失点を狙いたいなと思っています。前の選手に何とか点を取ってもらって、後ろでは失点ゼロにこだわってやっていきたいと思っています」
 
アスルクラロのゴールマウスを守るゴールキーパーの石田は、その言葉通り、セカンド・ステージ開幕戦を失点ゼロに抑えた。試合中には、チームメートを鼓舞するような場面が何度もあった。また、セカンド・ステージでアスル旋風を巻き起こすための準備もバッチリできたと話す。
 
「個人的にも、守備の連携という意味でも今回の中断期間ですごく良い準備ができました。具体的には、チームが繋ぐサッカーをするということで、自分もその繋ぎに参加できるような練習をしたり、シュートブロックについてもワンランク上のプレーが出来るように練習しました。その結果が今日の失点ゼロ。少しはチームに貢献できたかなと思います」
 
ファースト・ステージは、ディフェンスラインの裏に放り込んでくるような相手のシンプルな攻撃に苦しめられたが、その対策もできている。
 
「うちは、センターバックにしても前でプレーする選手が多いので、ディフェンスラインの裏のケアというのは、常に意識をしています。ディフェンスと連動した動きの質は上がったと思います。
ただ、今日は引き分けてしまいました。ここからは本当に勝たないとダメだと感じています。とにかく頑張ってサポーターのみなさんに勝利を届けたいと思っています」
 
あとは勝利をサポーターに届けるだけ……。それは石田も十分に認識している。ファースト・ステージのような悔しい思いをしないためにも、石田のセービングに期待したい。

DATA

試合結果

セカンド・ステージ第1節(会場:愛鷹広域公園多目的競技場)
アスルクラロ沼津(0-0)ファジアーノ岡山ネクスト
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 20.高野光司 2.東間勇気 3.西村竜馬 25.馬場将大 MF 31.尾崎瑛一郎17.岡庭和輝(→6.真野亮二[後半26分]) 7.村上聖弥16.中野翔太 FW 32.蔵田岬平 10.木暮郁哉(→9.畑直樹[後半39分])

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