静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

初のアウェイ2連勝で上位進出へ vs横河武蔵野FC

-JFLセカンド・ステージ第8節(2014.09.27)-

JFLに15年以上在籍する老舗チーム・横河武蔵野FCを倒すべく、アスルクラロ沼津が乗り込んだのは武蔵野陸上競技場。横河は各チームが全国に散らばっているJFLにあって、唯一の東京都(武蔵野市)をホームタウンとするチーム。静岡からのアクセスの良さも手伝ってか、スタンドにはアスルクラロのサポーターの姿が目立った。そして、アスルクラロ初の「アウェイ2連勝」を後押ししようと、大きな声援が響き渡る。前節、Honda FCに喫した大敗を引きずる者は、グラウンドにもスタンドにもいない。ファースト・ステージ最終戦でも勝利した相性の良い横河から勝点3をもぎ取り、チームは上位進出を狙う!

蔵田、村上のゴールで見事勝利!

「今日はチームが積み重ねてきたものが、ようやく実を結んだかなとホッとしています」
 
試合後、望月一仁監督が笑顔で語ってくれたように、見事にアスルクラロはアウェイ2連勝を飾った。
 
前半、先手を取ったのはアスルクラロ。右サイドバックに入った尾崎瑛一郎の鋭いクロスに飛び込んだフォワードの蔵田岬平が、セカンド・ステージ第3節以来のゴールを決める。
 
対する横河も、前半ロスタイム。井村雄大が直接フリーキックを決めて同点。
 
しかし、勝利を諦めないアスルクラロは後半34分。木暮郁哉からのセンタリングをうまく合わせた村上聖弥のヘディングシュートが決まり、決勝点。
 
その後の横河の猛攻も体を張って守り抜き、順位では上にいる相手に2-1で勝利を収めた。台風による影響で延期され、9月14日に開催されたMIOびわこ滋賀戦と合わせると、チームとして初のアウェイ2連勝である。

前半を1-1で折り返す

キックオフ直後から試合のペースを握ったのは横河。前半3分には、アスルクラロの中盤に入ったペ・フミンのファウルを誘い、絶好の位置からのフリーキック。その遠藤真仁のキックは、壁に当たり、チームは難を逃れる。
 
その後も、ボランチのポジションでリズムを作る木暮郁哉にボールがわたらず、アスルクラロが得意とするポゼッション・サッカーが影を潜める。
 
それでも、「中央を徹底して守るように指示しました。サイドはある程度崩されても仕方ない、と」という望月監督の言葉通り、中央で守る西村竜馬とキム・ヨンギの2人が体を張った守りを見せ、決定的なチャンスは作らせない。
 
前半21分には、不用意なバックパスを井村にカットされ、アスルクラのゴールキーパー石田良輔と1対1に。このヒヤリとさせられた場面でも、石田が体を張ってブロック。
 
すると、徐々に持ち前の高いスキルで、アスルクラロのボール保持率が上がっていく。
 
前半25分には、中央よりやや左サイドの位置から、木暮がミドルシュートを放つと、32分には右サイドを駆け上がった真野亮二がドリブル突破。真野亮二があげたセンタリングのこぼれ球を木暮、村上と繋いで蔵田へ渡るも、最後は相手の執拗な守備でブロックされてしまう。しかし良いリズムで攻撃ができている。
 
「相手が前線に蹴り込んでくるようなチームだと、どうしても全体が間延びしてしまいます。そんな時は、ハッキリとプレーしようと話していました。繋ぐ時はもちろん今まで通りパスを繋ぐのですが、裏に蹴る時は蹴ってしまってもよいと。ただ裏に蹴るのではなく、狙いを持ってやるように指示していましたが」
 
そんな望月監督の言葉にもあるように、緩急ある攻撃がうまくハマる。裏に抜け出した右サイドハーフの岡庭和輝がボールをキープして、右サイドのスペースを駆け上がった尾崎へ。
 
尾崎がグランダーの鋭いセンタリングをあげると、ボールは相手ディフェンダーの足をかすめて逆サイドへ。詰めていた蔵田が冷静にボールをゴールへと蹴り込み先制点。1-0、アスルクラロが先手を取った。
 
そのまま前半を折り返すかと思われたロスタイム。左サイドからのセンタリングを頭で跳ね返した西村竜馬のクリアが小さくなってしまい、堪らずペ・フミンがファウルを犯してしまう。すると、この約23メートルのフリーキックを井村がしっかりとゴール左に入れて同点。
 

横河の猛攻に遭うも、気持ちで守り切る

「JFLは、技術うんぬんよりも気持ちが大切。球際でどれだけ体を張れるかが勝敗にかかわってくることがわかったので、自分のプレースタイルじゃないかもしれないけれど、守備面をサボらずに頑張りました」
 
そう語るのは木暮。この日の彼は、攻撃のリズムの中心となるだけではなく、守備の面で存在感を示していた。
 
後半に入ると、同点に追いついた横河のペースになる。なかなかボールを落ち着かせることができないアスルクラロを尻目に、横河は後半14分、左サイドからのロングパスに反応した右サイドの林俊介へ。この決定機でのシュートはゴールの上を過ぎていく。さらに18分には、本田圭佑に右足でミドルシュートを打たれるなど、後半20分頃までに5本のシュートがアスルクラロに浴びせられる。
 
しかし、先の木暮の言葉にもあったように、アスルクラロの全員が最後の最後で体を投げ出すように粘り強く守り、ゴールを割らせない。その筆頭が、木暮だった。
 
すると、ピンチのあとにはチャンスが生まれる。そのチャンスを作り出したのも、木暮だった。
 

決勝点はビューティフルゴール!

「中盤でボールを動かせるペ・フミンが入ったことで、ボールの繋ぎのところでの負担が減りました。その分、守備だったり、ペナルティエリア付近のほうまで攻め込んだりすることができるようになりました」とアシストした木暮が話す通り、徐々にチームが相手を押し込んでいくと、最前線に飛び出していく木暮。
 
25分には、右サイドで粘って、右サイドを追い越していく尾崎へ。そのセンタリングは跳ね返されてしまうも、こぼれ球がペ・フミンの下に渡ると、躊躇なくミドルシュート。ゴールの枠は捉えられなかったが、アスルクラロのペースになっていく。
 
岡庭の代わりに入った真野直紀が、前線で相手の背後をかき乱すと、後半34分には、こちらも途中交代で入った緑悟が体を張ってボールを自分たちのものにすると、木暮が中央で待つ村上へアーリークロス。
 
その絶妙なパスを上手く合わせた村上のヘディングシュートは、相手ゴールキーパーの頭上を越え、ゴールへと吸い込まれていった。
 
「聖弥くんのシュートの軌道までイメージ通りでしたね」と試合後に木暮が語ったように、ビューティフルゴールで決勝弾。
 
その後も、ロスタイム直前にコーナーキックなどのピンチを迎えるも、全員が集中して守りきり、試合終了のホイッスル。
 
結果は2-1。アウェイにもかかわらず足を運んだたくさんのサポーターに、勝利をプレゼントすることができた。
 
JFLは残り5試合。アスルクラロは、そのすべてに勝利し上位進出を狙う心づもりだ。
 

DATA

試合結果

セカンド・ステージ第8節(会場:武蔵野市立武蔵野陸上競技場)
横河武蔵野FC(1-2)アスルクラロ沼津
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 31.尾崎瑛一郎 33.金龍起(キム・ヨンギ) 3.西村竜馬 25.馬場将大 MF 34.裴厚民(ペ・フミン) 10.木暮郁哉 17.岡庭和輝(→11.緑悟[後半24分]) 7.村上聖弥(→23.山崎直之[後半41分]) FW 6.真野亮二(→27.真野直紀[後半29分]) 32.蔵田岬平
 

ページの先頭へ