静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

今季最多となるサポーターの前で vs 奈良クラブ

-JFLファースト・ステージ第12節(2015.05.17)-

ファースト・ステージも残り4節。1つでも順位を上げるために、またセカンド・ステージでの躍進につなげるためにも、4連勝で締めくくりたいアスルクラロ沼津。今節の相手は、熾烈な戦いで知られる「全国地域サッカーリーグ決勝大会」を制し、今季からJFLに参入した奈良クラブ。Jリーグ百年構想クラブの1つでもあり、アスルクラロのライバルチームでもある。

互いに一歩も譲らずスコアレスドロー

今季最多となった2,000人を超すサポーターの歓声で沸いた愛鷹競技場。その熱気のままに、ピッチ上でも白熱の戦いが繰り広げられた。
 
「試合前、選手たちにはこの試合が決勝戦だという気持ちで戦うように伝えました。引き分けはない。全力で勝ちにいけと」
 
試合後、アスルクラロの吉田謙監督は、開口一番そう語った。その言葉通り、0-0という結果以上に、見応えのある試合だったことは、会場にいた誰もが感じたはずだ。
 
「前線の選手たちは、何度も奈良クラブの背後のスペースに飛び込んでいった。中盤からもリスクをおかしてフォワードを追い越す動きをしていた」という吉田監督の言葉通り、前半にはスペースに飛び出したフォワードの松尾篤、新裕太朗が決定機をつくった。しかし、最後のところで得点が奪えなかった。
 
「1か月ぶりの先発で気合が入っていました。でも最後のところで決めきれませんでした。もっともっと高い意識をもって1つ1つのプレーをしないと」と語る新も悔しさでいっぱいの表情だった。
 
後半に入っても、前線の岡庭和輝、蔵田岬平を中心に、奈良クラブを攻め立てた。さらに、ボランチの位置から中野翔太もゴール前まで飛び出していった。
 
「監督からはリスクを恐れていたら点は取れない。どんどんフォワードを追い越してプレーしろと言われています。今日は特にその動きを意識した」と話す中野。後半には蔵田のセンタリングに飛び込むシーンもみられた。
 
しかし奈良クラブのゴールを割ることができず、0-0のまま試合終了のホイッスルが鳴った。
 

前半は優位に試合を進めるもゴールが遠く

「予想していた以上に、アスルクラロが前線からアグレッシブに圧力をかけてきた」と奈良クラブの中村敦監督が言うように、キックオフ直後から積極的にプレーをするアスルクラロの選手たち。
 
これまでの試合以上に、ツートップの松尾と新にボールが収まり、奈良クラブのゴール前まで攻めこむことができた。
 
前半13分には、良い形で前を向いた蔵田が、得意の左足でミドルシュート。これは相手ゴールキーパーのシュナイダー潤之介が冷静に処理するも、さらにその直後に松尾が背後のスペースに抜けてチャンスメイク。このチャンスで得たコーナーキックを、新がニアサイドでヘディングシュートを放つも、わずかに右にそれる。
 
前半17分には蔵田からパスを受けた新が、28分には松尾からのセンタリングから蔵田がシュートを放つも、得点にはならなかった。
 
奈良クラブも前半10分に左サイドを突破した吉田智尚がつくったチャンスで、アスルクラロのゴールに迫るも、ゴールラインギリギリでセンターバック西村竜馬がヘディングでクリア。さらに31分には右サイドバックの野本泰崇があげたクロスボールに、キャプテンの馬場悠が合わせるも、アスルクラロのゴールキーパー大畑拓也がセービング。
 
互いに好機を演出しながらも、相手ゴールを奪えず0-0のまま前半を折り返す。
 

両チームとも“一発”を狙いにいった後半

前半の激しい攻め合いそのままに、後半も白熱の戦いが見られた。
 
後半4分には巧みなターンで抜け出した新がドリブル突破を試みると、堪らず奈良クラブはファウルを犯す。この約30メートルのフリーキックで蔵田が直接ゴールを狙うも、ゴールの頭上を大きく越えてしまう。
 
その後、徐々に奈良クラブに流れが傾くも、ディフェンダーの西村、高橋寛太、藤原拓也、馬場将大、ボランチの鈴木将也が体を張って相手にゴールを割らせない。「キャプテンの鈴木将也は、中野が前線に飛び出していく分、しっかりとバランスを取ってプレーすることができていた」と吉田監督も、鈴木将也に及第点を与えた。
 
後半も残り20分を切ると、アスルクラロも奈良クラブも“一発”を狙いにいく。アスルクラロはスピードのある御宿貴之、中西健人、望月理人を投入。奈良クラブも過去に天皇杯でベガルタ仙台に対して値千金のゴールを奪った岡山一成などを投入する。
 
しかし決定力を欠いた両チームから、ゴールが生まれることはないまま試合終了となった。Jリーグ百年構想クラブ同士の対決は、勝ち点1ずつを分け合う形になった。
 

メインスタンドがサポーターでいっぱいになる日

愛鷹競技場(愛鷹広域公園多目的競技場)の最大収容人数は10,000人。アスルクラロの試合で、常時開放しているメインスタンドは5,000人。
 
今季最多の2,018人が集まった今節でも、大きな歓声が愛鷹の地に響きわたっていた。もしもこの5,000の席がサポーターで埋め尽くされたら……。それはとてつもない力を選手たちに与えてくれるに違いない。
 
もちろん多くのサポーターに駆けつけてもらうためには、選手たちが全力でプレーすることとともに、結果も必要となってくる。
 
連勝を重ね、優勝をかけた大一番に挑むという目に見える魅力を生み出すことができれば、きっと愛鷹のメインスタンドがいっぱいになるだろう。
 
そして、サポーターの大歓声と選手たちの頑張りが相乗効果となって、素晴らしいサッカーが繰り広げられるはず。もっと大きな視点で立つと、それは沼津、ひいては静岡県東部地区全体を元気にすることにもつながる。
 
次節は5月31日(日)13時キックオフ。相手は栃木ウーヴァFCだ。ファースト・ステージのホーム最終戦に、みんなで駆けつけよう!
 

DATA

試合結果

ファースト・ステージ第12節(会場:愛鷹広域公園多目的競技場)
アスルクラロ沼津(0-0)奈良クラブ
メンバー)
GK 21.大畑拓也 DF 15.高橋寛太 23.藤原拓也 3.西村竜馬 5.馬場将大 MF 2.中野翔太 7.鈴木将也(Cap.) 8.岡庭和輝(→22.望月理人[後半43分]) 10.蔵田岬平 FW 13.松尾篤(→20.中西健人[後半37分])14.新裕太朗(→19.御宿貴之[後半17分])
 

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