静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

スルガ銀行マッチは、蔵田の決勝点で強敵を撃破! vs FC大阪

-JFLセカンド・ステージ第4節(2015.07.12)-

セカンド・ステージ3試合を終えて、いまだ勝ち星のないアスルクラロ沼津。今節は、年間通算順位でアスルクラロの上位をいくFC大阪を愛鷹に迎えた。数日前までの梅雨空が嘘のように太陽が照りつけ、気温はおよそ30度。そんな炎天下の中、アスルクラロのイレブンはキックオフ直後から勝利を目指して全力で駆け出した。

残り10分で決めたゴール!

「蔵田にしか決められない、蔵田だから決めることができたゴール。本当に気持ちが込められたシュートでした」
 
試合後、アスルクラロの吉田謙監督は少し興奮した様子で、後半36分の蔵田岬平のゴールを褒め称えた。前節、HondaFC戦で良いところをみせることができなかったアスルクラロの背番号10番は、この日のキックオフをベンチで聞くことになった。そのことが、蔵田の闘志に火をつけた。
 
精力的に前線から相手ボールを追いかけまわした鈴木淳に替わって、後半から出場すると、「彼のやる気はいつもの3倍だった」と吉田監督が表現したようにグランドを縦横無尽に走り抜けた。
 
試合の残り時間が10分を切った時だった。同じく途中出場した、新加入の平岡将豪からパスを受けた蔵田は、得意とする左足ではなく、右足を振りぬいた。それまでアスルクラロのシュートを1本に抑えていたFC大阪のキャプテン岩本友幸も、目一杯足を伸ばすが届かず、ボールはゴール右隅へと吸い込まれていった。
 
この値千金のゴールを守り切ったアスルクラロは、セカンド・ステージ初勝利をあげた。そして、ゴールを決めた蔵田はスルガ銀行マッチのマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、満面の笑みでサポーターの歓声に応えた。
 

シュート数は2。それでも勝つのがアスルクラロだ

前半はほとんどFC大阪がボールを保持していた。FC大阪の森岡茂監督も次のように話す。
 
「ファースト・ステージを戦ってみて、JFLのトップにいくには、速攻だけではなく遅攻もできないといけないと感じました。そこで、セカンド・ステージでは、ボールポゼッションを高くしようと試みています」
 
その言葉通り、アスルクラロはなかなかボールを持たせてもらえず、前半はチャンスらしいチャンスがないまま終える。実際、アスルクラロの前半のシュート数はゼロだった。
 
しかし、だからといって焦りはなかった。吉田監督は言う。
 
「僕たちが今季やろうとしているコンセプトに立ち返ることにしました。それはまず全員でしっかり守るということ」
 
この言葉は、今シーズン開幕前にも吉田監督の口から出ていた言葉だ。しっかり守る中で、隙をついて一発のゴールを決める。極端なことをいえば、89分間攻められていようが、関係ない。しっかり耐えぬいて、残り1分で得点を決めれば良い。
 
後半に必ず得点できると信じていた指揮官は、後半から蔵田を投入。さらにAC長野パルセイロから加入した平岡、松本山雅FCから加入した道上隼人を出場させる。すると、徐々にアスルクラロのカウンター攻撃が、FC大阪のゴールを脅かし始める。
 
さらに、前節までと変わったところは、左足のロングパスが得意な藤原拓也を先発復帰させたことだ。そのことで、ディフェンスラインでのパス交換がスムーズになった。
 
前節、HondaFCにボールを奪われるシーンが目立った左サイドバックの馬場将大は、「センターバックの1人が左利きだと、そこから良いパスが来るので、やりやすかったです」と話す。
 
そして、チームは後半36分に決めた蔵田のゴールを守りきり、強敵から勝ち点3を獲得した。

PICK UP

アスルクラロ沼津U-15が全国大会出場へ!

実は、この週のアスルクラロには別の戦いもあった。それは下部組織であるアスルクラロ沼津U-15の日本クラブユースサッカー選手権だ。全国大会出場をかけた東海大会の試合があったのである。
 
「僕がアンダーの子たちを見ている時にも全国大会に行きましたが、本当に子どもたちにとって大きな経験になるし、財産になる。全国大会のあと、いきなり世代別日本代表に選ばれて、海外遠征に行くこともありました。たとえば、今ジュビロ磐田にいる小川大貴。彼も全国大会で成長をし、プロにまでなった選手の1人です」
 
吉田謙監督自身も、アスルクラロ(元ACNジュビロ沼津)の下部組織を指導していただけに、思い入れは大きい。
 
ここ静岡県東部のサッカーやスポーツが盛り上がっていくためには、アスルクラロトップチームがJリーグへ進むことも大切だが、こうした育成年代の躍進も欠かせない。その意味では、この全国大会は子どもたちの成長ということ以上に意味があるものなのかもしれない。
 
東海地区5位という成績を残したアスルクラロ沼津U-15は、全国大会出場の切符を手にした。そして、その全国大会は、8月3日(月)~12日(水)に北海道で行われる。現地まで駆けつけることは難しいかもしれないが、ぜひ応援してほしい。いつか下部組織出身者が、Jリーグに所属するアスルクラロのトップチームで活躍することを願って。
 

DATA

試合結果

セカンド・ステージ第4節(会場:愛鷹広域公園多目的競技場)
アスルクラロ沼津(1-0)FC大阪
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 18.尾崎瑛一郎(Cap.) 23.藤原拓也 3.西村竜馬 5.馬場将大 MF 17.太田一輝 7.鈴木将也 8.岡庭和輝(→26.道上隼人[後半27分]) 20.中西健人(→32.平岡将豪[後半16分]) FW 13.松尾篤 28.鈴木淳(→10.蔵田岬平[ハーフタイム])
 
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