静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

「J昇格」への道筋 vs MIOびわこ滋賀

-JFLセカンド・ステージ第8節(2015.09.13)-

前節はファースト・ステージを制したヴァンラーレ八戸から、ロスタイムでのゴールで勝利をもぎ取ったアスルクラロ沼津。それから約1ヵ月半という長い中断期間を経て、ホームにむかえる相手はMIOびわこ滋賀。Jリーグ昇格への条件は「年間通算順位4位以内」。第7節時点でアスルクラロは5位につけ、4位との勝ち点差は「8」なだけに、アスルクラロにとって絶対に負けられない一戦である。

相手の攻勢にあうも、失点0で折り返す

今節は前半と後半でまるっきり試合内容が異なる試合だった。そのことが端的に表れているのがシュートの数だ。前半のシュート数は、アスルクラロが1に対してMIOびわこ滋賀は7。後半はアスルクラロが9に対してMIOびわこ滋賀は0。その数字の通りの試合内容だった。
 
中盤の底でチームを支える鈴木将也も「前半はチーム全体のバランスが良くなかった」と話した通り、キックオフ直後からMIOびわこ滋賀がアスルクラロを攻め立てた。
 
吉田監督も次のように話す。
 
「相手が3バック、もしくは5バックでやってきた。それに対応してうちは(尾崎瑛一郎と馬場将大の)両サイドバックの位置を高くしたんですが、逆にそれでバランスが悪くなった」
 
前半11分にこそ、右サイドでの道上隼人と尾崎のパス交換から、新加入の河津良一に良い形でボールが渡り、河津は迷いなくミドルシュートを放ったが、それ以降アスルクラロにチャンスらしいチャンスは生まれなかった。
 
その半面、MIOびわこ滋賀は、前線からの速いプレスによってアスルクラロ陣内でボールを奪い、ショートカウンターで何度となくチャンスをつくった。しかし、終始アスルクラロを攻め立てながらも、ゴールを脅かすほどの圧力はかけられなかった。
 
結果として前半をスコアレスで折り返すことになった。
 

セカンド・ステージ初の連勝!

後半になって息を吹き返したのはアスルクラロだった。
 
「前線の4人のバランスを修正した」と吉田監督が話すように、遅攻と速攻を上手く使い分けた攻撃が徐々にMIOびわこ滋賀を追い詰めていった。
 
そして後半11分。相手陣内の左サイドで蔵田岬平がファウルを受ける。このフリーキックで尾崎がゴール前にクロスボールを入れると、藤原拓也、西村竜馬、鈴木淳の3選手が勢い良く飛び込んだ。しかし、ボールはファーサイドへ流れる。そこに飛び込んだのは、「1年ぶりの公式戦ということで、前半は良いプレーができませんでしたが、後半は自分の持ち味が出せました」と話した河津。恐れることなく全力でゴール前に走りこんでのヘディングシュートで、今季初出場にしていきなりのゴール。気持ちで勝ったアスルクラロの攻撃陣が、先制点を奪取することに成功した。
 
その後も、アスルクラロの攻勢は続く。後半18分には、ゴールから約30メートル地点でのフリーキックで、蔵田が強烈なグラウンダーのシュートを放つ。MIOびわこ滋賀の守護神・永冨裕尚はなんとかブロックするも、こぼれ球がアスルクラロのセンターバック藤原の足下へ。これを藤原が得意の左足でゴールに蹴りこむと、堪らずMIOびわこ滋賀の選手がハンドしてしまいPKに。
 
キッカーはキャプテンの尾崎が務めるも、永冨がファインセーブを見せ、追加点ならず。
 
しかし、その後も高い集中力で試合をコントロールし続けたアスルクラロは、1-0のまま勝利。嬉しいセカンド・ステージで初の連勝となった。
 

PICK UP

中山雅史の入団で「J昇格」へ!

「残り試合を全勝すれば、絶対にJに行けるぞと選手たちに話しています」
 
アスルクラロの吉田監督は、試合後に力強くそう語った。
 
その言葉通り、残り7試合をすべて勝つことができれば、Jへの条件である4位以内に上がれる可能性は十分にある。さらに1試合平均2,000人以上という観客動員数も必要だが、これも“連勝”によってクリアできる可能性は高まるだろう。
 
さらにこのほど日本のサッカー界のレジェンドの一人、中山雅史の入団が決まった。このことも間違いなくアスルクラロにとって追い風となるだろう。
 
話は少しそれるが、筆者は15年以上前に、アスルクラロの山本浩義代表から指導を受けていた。そのときに山本代表が話していたことを今でも覚えている。
 
「将来、僕はサッカーコートやフットサルコートをつくって、大人でも気軽に参加できるリーグをつくろうと思っているんだ。そういうのって良いと思わない? ぜひ参加してくれよな」
 
実際に、自分たちでサッカー・フットサルコートをつくり、サッカーでは「マンデーリーグ」、フットサルでは「火曜リーグ」「水曜リーグ」などを開催している。
 
山本代表は“実行の人”だ。少なくとも筆者はそう感じてきた。今回の中山雅史の入団も「J昇格」を実行するために他ならない。残り試合を全勝し、年間通算順位で4以内に入る。観客動員数を2,000人以上にする。この2つを実行するために、アスルクラロは走り続ける。
 

DATA

試合結果

セカンド・ステージ第8節(会場:裾野市運動公園陸上競技場)
アスルクラロ沼津(1-0)MIOびわこ滋賀
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 18.尾崎瑛一郎(Cap.) 23.藤原拓也 3.西村竜馬 5.馬場将大 MF 29.河津良一 7.鈴木将也 8.岡庭和輝 10.蔵田岬平 FW 26.道上隼人(14.新裕太朗[後半31分]) 28.鈴木淳(→13.松尾篤[後半12分])
 
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