静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

2016年開幕戦勝利!今年こそJ昇格を vs ブリオベッカ浦安

-JFLファースト・ステージ第1節(2016.03.06)-

「全力アスル〜東部と共に〜」。これは今年のアスルクラロ沼津のスローガンだ。お気づきの人も多いだろう、何を隠そう昨年のスローガンと同じなのだ。昨年は「年間順位5位」という、J昇格の最低条件である年間4位まであと一歩の成績だった。JFL1年目の2シーズン前は、年間順位8位だったことを考えると、“吉田謙監督の下で選手が全力を尽くせば、「J昇格」が手に届くところにある”という手応えを感じたことも確かだ。だからこそ、戦力がより充実した今年は、きっとやり遂げてくれるに違いない。さあ、開幕だ!

開幕戦勝利は、勝ち点3以上の価値がある

「僕らの“泥臭く”“逞しく”“そう簡単に倒れない”というコンセプトのもと、東部全域に住む約100万人の誇りを胸に戦い、今日は勝てて本当に良かったと思います!」
 
吉田監督は、今日の勝利を受けて、開口一番そう語った。後半24分に決勝ゴールを奪った蔵田岬平も次のように話す。
 
「前からボールを奪いにいくときはいき、取れなかったら、しっかりブロックをつくってから守備をする、という僕ららしい戦いができたと思います」
 
今季加入した青木翔大からのクロスボールを、蔵田がヘディングで押し込んだ1点をしっかりと守り切っての勝利。この勝ち点3は、ただの勝ち点3ではない、大きな意味を持つものだ。
 
開幕戦というのは、どんなチームにとっても難しいものである。選手のプレーも練習試合と公式戦とでは、まったく異なるものだし、相手のチーム戦術もハッキリとは分からないものだからだ。特に、今季加入したばかりの選手が過半数の6人も先発という中では、その不透明感はことさらに強い。
 
「主力選手の何人かは、軽い怪我があって、大事を取りました」と吉田監督も話しているように、計算できる選手を先発に起用できなかったという面もある。
 
それでも、新戦力が期待通りの活躍を見せ、勝利にこぎつけることができた。これはチームにとって大きなプラス材料だ。
 
この日、キャプテンマークを巻いてボランチのポジションで攻守にわたってチームに安定感をもたらした鈴木将也も「去年よりも今年のほうがチームのレベルとして上がっていると感じています」と語るように、J昇格に向けて戦力は十分だといえる。

蔵田のヘディングが決勝弾に!

ホームスタジアムである沼津・愛鷹広域公園多目的競技場は、現在改修工事中。そのため、3月6日の開幕戦は、御殿場市陸上競技場で行われた。
 
しっかりとした守備から、速攻を仕掛けたいアスルクラロと、ボールをつなぐパスサッカーで攻め立てたいブリオベッカという、対象的な戦いとなったこの日。立ち上がりは、経験で勝るアスルクラロが猛攻を仕掛けるも、得点を奪うまでは至らず、前半は一進一退の攻防が繰り広げられた。
 
前半5分には、バイタルエリアでロングボールを受けた青木が巧みなポストプレーで蔵田の足下へパスを出すと、蔵田は迷わずミドルシュートを放った。さらに27分には、蔵田が胸トラップから得意の左足を振り抜き、36分には青木が競ったこぼれ球を薗田卓馬がゴールを狙った。しかし、いずれもゴールは奪えず。
 
一方で、ブリオベッカのほうも、10分、11分、26分と続けてシュートまで持ち込むも、十分な態勢では打たせてもらえず、ゴールの枠をとらえることができなかった。
 
アスルクラロが決定的なシーンをつくったのは前半40分。相手ゴールキックを跳ね返したボールが青木に渡り、難しい体勢からゴールを狙うも、惜しくも左ポストに嫌われた。そのままスコアレスで前半を折り返す。
 
後半に入ると、徐々にアスルクラロのペースに。後半15分には、左サイドからのフリーキックに飛び込んだ谷奥健四郎が押し込み、ゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定。
 
そして後半24分、待望のゴールが生まれる。相手陣地に蹴りこんだロングボールに競り勝った薗田から左サイドを駆け上がった青木にパスが渡ると、青木は相手ゴールライン際までドリブルで切り込み、左足でセンタリングを入れる。このボールに鈴木、薗田、蔵田の3人が飛び込むと、蔵田の頭にドンピシャで合う。
 
「前半から僕とマッチアップしていた選手がまったく守備のときについてこないと感じていたので、良いボールさえくれば点を奪えるという自信を持っていました。まあ、でも、青木翔大に感謝ですね。良いボールだったんで」と蔵田が言うように、フリーでタイミングの合った蔵田が落ち着いてヘディングシュートを決め、アスルクラロが先制!
 
センタリングに対して複数人でゴール前に飛び込むという練習を重ねてきたチームの狙いが、ピシャっとハマった形でのゴールだ。
 
このゴールを最後まで守り切ったアスルクラロが1-0で開幕戦勝利を飾った。
 

PICK UP

昨季のアスルクラロとの違い

チームスローガンが象徴しているように、基本的な戦い方は昨季と変わらない。しかし、チーム戦力を充実させるため昨シーズンとメンバー構成が異なる。違いは2つだ。
 
1つは他クラブで実績のある選手の獲得だ。昨季J3でコンスタントに試合に出場した沓掛勇太、同じくJ3のグルージャ盛岡から移籍してきた田中舜(彼はアスルクラロの下部組織出身選手でもある)、J2での出場経験もある宮田直樹、期限付き移籍でJチームから加入した谷奥健四郎や光永祐也といった選手が揃う。
 
もう1つはフォワード陣の補強が目を見張る。昨シーズンはヴァンラーレ八戸で8得点を挙げた中筋誠、同じくFC大阪で10得点を挙げた中村亮太、九州大学サッカー1部リーグで18ゴールを奪っている薗田卓馬、そして横浜FCから加入した万能型の大型フォワードの青木翔大。昨年、一昨年と得点力に悩まされたチームにとって、彼らは大きな戦力となることは間違いないだろう。
 
実際、今節で先発出場した薗田、青木の2人の活躍は、目を見張るものがあった。ボランチの鈴木も「今年のフォワードはみんなパワーがありますし、ヘディングができる選手も多いので、苦しい時間とかでも、後ろの選手からしてみると、とても助かりますね」と語り、中盤の蔵田も「前線に起点をつくってくれるので、とてもやりやすいですね」と話していた。
 
今年のアスルクラロは、攻守にスキがない。今日の試合を見て、率直に感じたことだ。これをHonda FCやソニー仙台といった強敵に対しても臆することなく続けていけば、必ず「J昇格」が見えてくるはずだ。
 
次節ホームゲームは、3月19日13時キックオフ、場所は富士総合陸上競技場だ。開幕スタートダッシュをかける選手たちに、より一層熱い声援を送りたい。
 
 
今季のアスルクラロメンバーはこちら。
http://www.azul-claro.jp/players.html
 

DATA

試合結果

ファースト・ステージ第1節(会場:御殿場市陸上競技場)
アスルクラロ沼津(1-0)ブリオベッカ浦安
メンバー)
GK 21.大畑拓也 DF 4.田中舜 3.藤原拓也 28.谷奥健四郎 5.馬場将大 MF 23.白石智之(→13.鈴木淳[後半29分]) 7.鈴木将也(Cap.) 24.沓掛勇太 32.蔵田岬平 10.青木翔大(→20.中筋誠[後半32分]) 19.薗田卓馬(→2.石川喬穂[後半42分])
 
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