静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

試合の主導権を握るも 勝ち越しはならず vs FCマルヤス岡崎

─JFLファースト・ステージ第5節(2016.04.02)─

ファースト・ステージ第5節、開幕から4連勝中と勢いに乗るアスルクラロ沼津は、富士総合運動公園陸上競技場に、FCマルヤス岡崎をむかえる。前節、マルヤス岡崎は昨年の王者・ソニー仙台FCを破っているだけに、アスルクラロとしてはいつも以上に集中して試合に臨みたいところだが……。

2試合連続で先制点を許す……

前節の栃木ウーヴァFCとの試合では、キックオフ直後に失点してしまった。その失点について、アスルクラロの吉田謙監督は、「しっかりと修正したい」と語っていたが、今節も前半10分に失点をしてしまう。
 
アスルクラロのクリアボールが短くなったところをマルヤス岡崎のミッドフィルダー平野雄也に拾われる。すると平野は、アスルクラロの守備が整わないうちにドリブル突破からミドルシュートを放つ。この思い切りの良いシュートが、アスルクラロのゴール左隅に決まる。
 
マルヤス岡崎の山村泰弘監督が「前節、昨年のチャンピオンに勝てたというところは、チームの自信になりましたし、モチベーションにもつながったのかなと思っています」と語った通り、前節の勢いそのままにリードを奪った。
 
対するアスルクラロは、前節・栃木ウーヴァFC戦と同様、失点に対して下を向く選手はいない。すぐさま反撃を開始する。
 
前半18分には、フォワード青木翔大が右サイドのオープンスペースに飛び出し、チャンスメイク。ボランチの位置から前線に顔を出した鈴木将也にボールが渡ると、鈴木は左足でセンタリング。前節もヘディングシュートを決めている薗田卓馬が頭で合わせるも、このシュートは惜しくも相手ゴールキーパーに防がれてしまう。
 
その後もボールを支配するアスルクラロ。前半29分には、これまで全試合にフル出場を果たしている沓掛勇太がミドルシュートを狙う。32分には、右サイドに飛び出した鈴木淳からセンタリングが上げられると、相手ゴールキーパーがパンチングで弾く。このクリアボールに素早く反応した薗田が、迷わず右足でダイレクトボレーシュートを放つ。このシュートは惜しくも右ポストに弾かれノーゴール。マルヤス岡崎が1点リードしたまま前半を折り返す。
 

中筋のヘディングで同点に

 
後半に入っても、アスルクラロが試合の主導権を握る。しかし、なかなか相手ゴールを脅かす効果的な攻撃が出ないと見ると、吉田監督は早くも後半15分に、薗田に替えて、パワーと高さのある中筋誠をピッチに送り出す。
 
「ゴール前30メートルの崩しのところでアイデアに乏しかった。攻め入ることはできていたので、ペナルティエリアの中で高さもあり、パワーもある中筋を入れました」と語る吉田監督の狙い通り、途中出場の中筋が、後半17分にすぐさま結果を出す。
 
前半から攻撃的な姿勢を見せていた左サイドバックの馬場将大が、鈴木淳からパスを受けると、得意の左足で絶妙のクロスボールを上げる。このボールに対して、相手ゴールキーパーも素早く飛び出してパンチングを試みる。しかし、183センチの中筋のヘディングが勝り、ボールは無人のゴールへ。アスルクラロが同点に追いついた。
 
「(相手ゴールキーパーの)上から叩くというのは、なかなかないですけど、キーパーが出てきて、ボールの質次第ではいけるなと思っていたんで、ガツンといきました。自分のストロングポイントはヘディングですから、決めることができて良かったです」と試合後に中筋は話したが、彼はさらにこう続けた。「でも、チームが勝てなかったので、気持ちとしては悔しさが残ります」
 
その言葉通り、同点にした後も試合を優位に進めたアスルクラロだが、相手ゴールを脅かすことはできなかった。決定機がつかめないまま、1-1の引き分けで試合終了のホイッスル。アスルクラロの連勝は4でストップとなった。
 

PICK UP

守りに徹する相手に対してどう攻めるか

「(後半は)アスルクラロにだいぶボールを支配される時間が増えていたので、しっかり勝ち点1を持って帰りたいという気持ちがあったことは確かです」と語ったマルヤス岡崎の山村監督。その言葉通り、ディフェンスラインを下げて、守りに徹していたマルヤス岡崎。
 
こういった引いて守る相手に対して、どう攻め崩すかが、アスルクラロの今後の課題の1つとも言えそうだ。一本一本のシュートの質はともかく、後半のシュート数については、アスルクラロが4本に対して、マルヤス岡崎が9本。試合内容に反して、相手のシュート数が多いことからも、その課題は重要なことがわかる。
 
同点弾を放った中筋はこう話す。
 
「試合の終盤になってパワープレーになることは仕方ない部分もあるのですが、もっと色んな攻撃の形を見せながらやっていかないといけないと思います。今日みたいに引いて守る相手に対しては、(ロングボールを使うのではなく)下で繋いで崩したり。そうすることで相手は前に出てきますよね。そういった駆け引きができれば、さらにパワープレーも生きてくるのかなと思いますし。試合の終盤になる前にそれをやらないとダメですね」
 
吉田監督も次のように言っている。
 
「ゴール前30メートルの崩しのところでアイデアに乏しく、アシストの前のパスだったり、崩しのアイデアというのが、監督である自分に足りなかったと感じています」
 
決定機をつくるには、多少リスクのあるプレーが必要となってくる。相手ゴール近くのアタッキングサードでそれをするのは当然だが、ときにカウンターを受けやすいバイタルエリアでも必要だ。相手にボールを奪われるシーンが増えるかもしれないが、チャンスメイクのためにはボールロストは必要悪だともいえる。
 
それは今、故障の影響もあって戦列を離れている蔵田岬平の役割でもあった。蔵田が出場しないのであれば、ほかの誰かが、バイタルエリアで前を向いて相手ゴールに直結するプレーを試みる必要がある。それが引いて守る相手を崩すために重要なことではないか。
 
もちろん、吉田監督はこの引き分けを悲観的には捉えていない。
 
「でも、負けていないので、下を向かずにこれからもまた、仕事にサッカーに集中して、最後まで走り続けたいと思います」
 
今季、まだアスルクラロは無敗だ。このような戦いを続けていけば間違いなく上位に入れるだろう。しかし、さらにその上、つまり優勝を目指すためには、こういった引き分けの試合を勝ちに変えることが望まれる。
 
次節は、4月10日(日)13時、Jリーグを目指すことを発表した東京武蔵野シティFCと、アウェイの地・武蔵野市立武蔵野陸上競技場で開催される。東京武蔵野シティFCは、これまで4戦4勝と、アスルクラロにとって相性の良い相手だ。会場まで駆けつけて、選手たちに大きな声援を送りたい。
 

DATA

試合結果

ファースト・ステージ第5節(会場:富士総合運動公園陸上競技場)
アスルクラロ沼津(1-1)FCマルヤス岡崎
メンバー)
GK 21.大畑拓也 DF 5.馬場将大 3.藤原拓也 28.谷奥健四郎 18.尾崎瑛一郎(Cap.) MF 13.鈴木淳(→2.石川喬穂[後半31分]) 7.鈴木将也 24.沓掛勇太 17.太田一輝 FW 10.青木翔大(→9.中村亮太[後半23分]) 19.薗田卓馬(→20.中筋誠[後半15分])
 
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