静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

1点を守りきられ惜敗 vs 東京武蔵野シティFC

─JFLファースト・ステージ第6節(2016.04.10)─

前節、今シーズン初めて勝ち点3を逃したアスルクラロ沼津は、もう一度チームの勢いを取り戻すべく、東京武蔵野シティFCとのアウェイ戦に臨む。対する東京武蔵野シティFCは、今シーズンいまだ勝ち星に恵まれず、直近では3連敗中。だからこそ、何がなんでも勝利を目指してくることだろう。

前半を0-0で折り返す

前節、前々節と、2試合連続で先制点を許しているアスルクラロ。そこで、前節からの1週間は、チームの守備意識の修正を図るべく準備をしてきた。
 
特に、相手のロングボールに対して、「ボールサイドに人数をかけ、守備陣形を整えるという練習をしてきた」とアスルクラロの吉田謙監督は語る。しかし、ここまで全試合に出場してきた守備の中心である藤原拓也が体調不良により欠場。代わって、急遽、田中舜がディフェンスラインの真ん中に入った。
 
その影響もあってか、試合序盤は東京武蔵野シティFCが試合を優位に進める。最初のチャンスは、前半7分。アスルクラロのクリアボールを拾った永露大輔が強力なミドルシュート。これはシュートコースに入った田中舜がなんとかブロックするも、東京武蔵野シティFCのペースが続く。
 
前半25分には、アスルクラロの左サイドのスペースに抜け出した三橋隼斗が、右足を振りぬく。このインステップシュートは、今季初先発となったゴールキーパーの石田良輔が、ギリギリのところで弾き出して難を逃れた。
 
「久々の試合だったので、少し試合の入りは固くなってしまいましたが、徐々に体も動いてきて問題なくプレーできました」と自身も試合後に話したように、石田はその後も東京武蔵野シティFCのシュートを止め続ける。
 
アスルクラロも初先発となった中村亮太や全試合先発出場中の青木翔大が前線で奮闘するも、なかなかいい流れで攻撃を仕掛けることができなかった。
 
共にスコアレスのまま前半を折り返す。
 

相手の気迫ある守備を崩せず敗戦

後半に入ると、徐々に試合の流れをつかみ出したのは、アスルクラロだった。
 
「サイドバックと両サイドの中盤の選手との距離間を修正しました。前半に比べて、かなり後半は良くなったと思います」と話したのは吉田監督。
 
その言葉通り、選手の距離間がよくなったことで、セカンドボールを拾えるようになったアスルクラロが相手ゴールを脅かし始めた。
 
後半が始まって3分、右サイドの空いたスペースに中村が飛び出すと、逆サイドを駆け上がった太田一輝にボールが渡る。これが、キーパーと一対一という絶好のチャンスになりかけるも、わずかに太田のボールタッチが大きくなってしまい相手ゴールキーパーの飛び出しでチャンスの芽が摘まれてしまった。
 
さらに後半5分には、ボランチの鈴木将也が右サイドで粘り、中央で待つ青木にセンタリングをあげる。これに上手く反応した青木が、スライディングシュートでゴールを狙うも、惜しくもゴール右に外してしまった。
 
13分にも、右サイドで鈴木淳からボールを受けた尾崎瑛一郎がセンタリング。これが青木の頭に合うが、このヘディングシュートも相手ゴールのネットを揺らすことはできなかった。
 
すると、次にチャンスを掴んだのは東京武蔵野シティFCだった。中途半端になってしまったルーズボールの処理を誤ったアスルクラロからボールを奪った林俊介から、途中出場でピッチに立ったフリーの若狭友佑にパスが出ると、ゴールキーパーと一対一の場面を作られてしまう。石田も懸命にシュートコースを消すべく前に出るも、わずかに及ばずボールはゴール右隅に転がり込んでいった。これで、東京武蔵野シティFCが1点リード。
 
「何とか体のどこかでブロックできればと思って、飛び出したんですがダメでした」と石田。それまでは度重なるピンチも、相手の得点をゼロにおさえてきただけに悔しさをにじませた。
 
後がないアスルクラロは攻撃に転じる。高さのある谷奥健四郎と、前節もヘディングでゴールを決めた中筋誠が、前線に張るパワープレーに出たのだ。
 
「得点を奪った途端に相手守備陣は引いてきた。そこで(パワープレーは)選手たちが判断した。良い判断だったと思います」と吉田監督は語ったが、なかなか相手ゴールを脅かすところまではいかない。
 
アスルクラロも勝利へのモチベーションは高かったが、「泥臭くでもいいからとにかく勝つことをチームで再確認しました」と東京武蔵野シティFCの吉田康弘監督も話したように、アスルクラロ以上に東京武蔵野シティFCの勝利への執念や気迫が勝っていたのかもしれない。
 
東京武蔵野シティFCが1点リードしたまま試合終了のホイッスル。アスルクラロは、勝ち点を持ち帰ることができなかった。
 

PICK UP

次節は絶対に負けられない正念場

昨年11月、東京武蔵野シティFCは、Jリーグを目指すことを表明し、チーム名もそれに合わせて企業チームとしての横河武蔵野FCから変更した。
 
それについて、「チームとしては何も変わっていないのに、名前だけが先走っていた」と東京武蔵野シティFCの吉田康弘監督は話していた。「だからこそ、今自分たちができることをもう一度思い出して、やれることを精一杯やろう」とも。
 
それが、今日の試合で見せたような、1点差を守りぬくしぶとさ、泥臭さにつながったのだ。
 
それは、「戦力は十分ではないかもしれないけど、なんとしても、泥臭くても勝ち点を奪うんだ」という気持ちの部分で、一昨年のアスルクラロと重なるところがある。泥臭く戦うという気持ち、ファイティングスピリットに関しては、吉田謙監督が口を酸っぱくして言っていることだ。きっと、この東京武蔵野シティFC戦での敗戦を糧にして、チームはもう一度「全力」で戦うことの大切さを心に刻んだに違いない。
 
ファースト・ステージも中盤~終盤にかけて、強豪チームとの対戦が増えてくる。その意味では、このタイミングでの敗戦は、もう一度気持ちを引き締め直すよい機会だとも言える。
 
「Jリーグを目指す」と旗を掲げているチームは、アスルクラロ以外にもたくさんある。アスルクラロの所属するJFLはもちろん、その下の地域リーグの中にも数えきれないほどあるのだ。
 
だからこそ、より一層の覚悟と戦う気持ちを持って戦わなければ、Jへの道は開けないだろう。
 
次節は4月16日(土)13時、裾野市運動公園陸上競技場で、こちらもJを目指している奈良クラブを相手にむかえる。ここ2試合勝ち星がないだけに、正念場ともいえる試合だ。ぜひとも会場で勝利を見届けたい。
 

DATA

試合結果

ファースト・ステージ第6節(会場:武蔵野市立武蔵野陸上競技場)
アスルクラロ沼津(0-1)東京武蔵野シティFC
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 5.馬場将大 4.田中舜 28.谷奥健四郎 18.尾崎瑛一郎(Cap.) MF 17.太田一輝 13.鈴木淳(→32.蔵田岬平[後半30分]) 7.鈴木将也 24.沓掛勇太 FW 9.中村亮太(→19.薗田卓馬[後半12分])10.青木翔大(→20.中筋誠[後半26分])
 
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