静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

2ndステージ開幕戦は惜しくもドロー vs MIOびわこ滋賀

─JFLセカンド・ステージ第1節(2016.06.19)─

「J昇格」を目指すアスルクラロ沼津のセカンド・ステージが開幕した。迎える相手は、ファースト・ステージで、残り10分を切るまでリードしていながらも逆転を許したMIOびわこ滋賀。セカンド・ステージを占う大事な初戦であり、リベンジマッチでもある。チームに勢いをもたらす勝利をあげることができるか──。

前半を2-0で折り返す!

「前から行け!」というアスルクラロの吉田謙監督の声が、キックオフと同時にグラウンド全体に響き渡る。その声に鼓舞されるかのように、選手たちは前線から相手ボールを追いかけ回す。
 
すると前半5分にいきなり先制点が生まれる。「相手のサイドバックの裏のスペースを狙っていこうと話していた」と中村亮太自身が試合後に語った言葉通り、グラウンド中央で前を向いたボランチの沓掛勇太から、右サイドを駆け上がった中村に浮き球のパスが送られると、ゴールラインギリギリからマイナス気味にセンタリング。
 
このパスに反応したのは、タイミングよくゴール前に飛び込んできた薗田卓馬。相手ディフェンダーともつれ合いながらも、きっちりと右足でボールを蹴り込み、ゴールネットを揺らす。今季6ゴール目となる薗田のゴールでアスルクラロが幸先良く先制点を奪う。
 
実は、両者によるファースト・ステージの試合でも、前半4分に薗田が先制点を奪った。が、その後の攻撃がうまく噛み合わず、結局敗戦となった。
 
しかしこの日は違った。前半9分には太田一輝と薗田のパス交換から、太田が左足でセンタリング。このボールを青木翔大が収め、さらにファーサイドにいた中村にボールが渡ると、中村は右足アウトサイドでゴールを狙う。また、16分にも薗田がスペースに飛び出し相手ゴールキーパーをドリブルで抜き、青木、沓掛とつなぎ、最後は太田がシュートを狙う。いずれも、惜しくも得点には至らなかったが、アスルクラロの勢いは衰えなかった。
 
すると、21分。待望の追加点が生まれる。沓掛から右サイドのオープンスペースに走りこんだ中村へフィードパスが渡る。中村はドリブルで相手陣内奥深くまで侵入し、1点目と同じようにグラウンダーのセンタリングを送る。これに反応したのは青木。「練習で狙っていた通りの形」と語った青木の今季2点目のゴールでアスルクラロが相手を突き放す。前半はアスルクラロが2-0とリードして折り返した。
 

一度は勝ち越すも、追いつかれてドロー

2点を先取して勢いに乗るアスルクラロだったが、後半開始早々に出鼻をくじかれる。ファースト・ステージでもアスルクラロから2得点をあげているMIOびわこ滋賀の坂本一輝が、後半3分にアスルクラロ守備陣の動きが止まった一瞬の隙をついてゴールを決める。
 
さらに「クロスボールに対する守備の練習は入念に行なったんですが、そのクロスから失点してしまった」と吉田監督が話すように、19分には、泉悠哉のセンタリングを坂本がうまくヘディングで合わせてゴール。2-2とされてしまう。
 
ここから、追加点がほしい両者は前がかかりに攻め合うオープンな展開となる。しかし、お互いに何度もチャンスを掴みながらも、守備陣が最後の最後で体を張ってなかなかゴールには至らない。
 
追加点が生まれたのは、残り10分を切った後半36分。尾崎瑛一郎が蹴った右コーナーキックを、太田が頭で合わせて勝ち越しゴール。3-2とする。
 
しかし、その1分後。キックオフから一度もアスルクラロにボールを触らせないまま、途中交代でピッチに立った久保賢悟が同点ゴールをあげる。
 
後半は13本のシュートを放ちながらも、アスルクラロはコーナーキックからのゴールのみに留まり、3-3の引き分けとなった。
 

PICK UP

セカンド・ステージの目標は?

セカンド・ステージで、まずアスルクラロが狙うは優勝だ。セカンド・ステージで優勝すれば、年間順位1位か2位が決まり、成績面でのJ昇格条件はクリアする。
 
もしも優勝に届かなければ、年間順位4位以上が求められる。たとえば昨年JFLからJ3へと進んだ鹿児島ユナイテッドFCは、年間順位4位だったが、その年間勝点は60だった。これを参考にすれば、アスルクラロに求められるセカンド・ステージの勝点31だ。10勝すれば勝点30を積み上げることができる。残り14試合のうち10試合で勝利を挙げること。これは必達目標といえそうだ。
 
それには、引き分けで終えるような展開の試合を勝利に変える力が欠かせない。キーとなるのは、攻撃に変化を加えることができる選手だ。発表されているように、高瀬証という大きな力がアスルクラロに加わった。裏に抜け出す瞬発的なスピードが持ち味の高瀬は、大きな攻撃的オプションとなる。既にSC相模原や松本山雅FCといった相手との練習試合でも、得点という結果を出している。
 
高瀬は、2007年、キャプテンの尾崎とシンガポールのSリーグでチームメイトとして共に戦っている。勝手知ったる間柄だ。
 
今節のハーフタイムには、「少しでもJ3昇格に貢献できるよう頑張ります」とファンの前で誓った高瀬に注目したい。
 

DATA

試合結果

セカンド・ステージ第1節(会場:富士総合運動公園陸上球技場)
アスルクラロ沼津(3-3)MIOびわこ滋賀
メンバー)
GK 21.大畑拓也 DF 5.馬場将大 28.谷奥健四郎 3.藤原拓也 18.尾崎瑛一郎(Cap.) MF 7.鈴木将也 24.沓掛勇太 17.太田一輝 9.中村亮太(→23.白石智之[後半29分])FW 19.薗田卓馬(→14.道上隼人[後半42分])10.青木翔大(→13.鈴木淳[前半40分])
 
icon_azul-claro_entry.png

ページの先頭へ