静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

アウェイの地で無失点勝利!J昇格に大きく前進 vs ブリオベッカ浦安

─JFLセカンド・ステージ第14節(2016.11.6)─

セカンド・ステージも残り2試合。J3昇格の条件“年間通算順位4位以内”に対し、13節終了時点での年間通算順位が4位のアスルクラロ。最後のアウェイ戦となる今節は、絶対に負けられない試合となった。

今節の対戦相手であるブリオベッカ浦安は、2シーズン前から元日本代表DF都並敏史がテクニカルディレクターに就任。ここからクラブ強化に乗り出すと、関東1部リーグを2年連続で制し、今シーズンからJFL入りした。JFL初シーズンながらもリーグ中位をキープする侮りがたい相手だ。「簡単には勝てない」というアスルクラロを率いる吉田謙監督の戦前の予想通り、試合は序盤からホームのブリオベッカ浦安に主導権を握られる苦しい展開となった。

前線からの激しいプレスで試合の流れを手繰り寄せる

ホームで序盤から試合の主導権を握る浦安は前半11分、左サイドからドリブルで切り込んだ南部健造がゴールポスト直撃のするどいシュートを放つ。
 
「ボールを奪うために誰がファーストディフェンダーになるのかということを、選手たちが自分たちで判断するよう徹底できました」
 
試合後、吉田謙監督がそう語ったように、攻勢に出る浦安に対してアスルクラロは前線から激しいプレスを仕掛けて応戦した。守備に時間を割かれながらも、青木翔大が相手ディフェンスラインでボールを奪うと、他の前線の選手が連動してショートカウンターにつなげる。おなじ形で3度チャンスをつくった前半30分過ぎには、相手ディフェンスラインが徐々に下がり始めた。
 
「体の向きなどを含めた相手の状況、風、相手の息遣いなどを含めて、選手たちがファーストディフェンダーを決定する。その決定したものにチームが連動するように、だれがというのは決めていなくて、その状況を見定めて共有して連動する。それを90分間続けることが勝利につながると、試合前に選手たちに伝えました」
 
そう話す吉田監督の狙い通りだった。相手ディフェンスラインが下がったことで、相手陣地深くからのサイドアタックが容易になり、右サイドバックの尾崎が高い位置でボールを持ち長短のパスで攻撃にアクセントを加え始める。
 
すると前半42分、クラブのJリーグ入りを手繰りよせる先制点が、主将・尾崎瑛一郎の右足から生まれる。尾崎がゴール前に放り込んだクロスをフォワードの園田卓馬がヘディングで流し込んだ。
 

チーム一丸となって守った虎の子の一点

先制点を奪って迎えた後半も、しばらくはアスルクラロの流れが続く。しかし、前線からのプレスが効かなくなった後半20分を過ぎたあたりから雲行きが怪しくなる。1点が欲しい浦安がリスクをかけて攻勢に出てきたので、ディフェンスラインを下げざるを得なくなった。
 
「体力の消耗が激しい中で、ボールを奪ったあとに攻撃の起点ができず、ディフェンスラインを押し上げることができなかった。それが守り一辺倒になってしまった原因です」と
吉田監督。
 
しかし、この日のアスルクラロは崩れなかった。守護神の石田良輔、センターバックの藤原拓也と田中舜のコンビを中心に浦安の攻撃をはじき返した。「本当に粘り強く我慢して守ることができた。距離感がよく、選手たちから絆や魂のようなものを感じた」と吉田監督が言う通り、逃げ切り態勢に入ったチームからは一体感が漂っていた。
 

PICK UP

次節、勝てばJ昇格

「おい、次の試合で人生が変わるかもしれないぞ」
 
試合終了後、サポーターの前で円陣を組んだチームの真ん中で、主将の尾崎は激を飛ばす。今節終了時点で年間通算順位3位、残すはホームでの1試合のみだ。4位以内をキープすればJ3昇格が決定する。ホームで自力昇格を掴み取り、堂々とJリーグに挑みたい。
 
「もちろん戦術も大切ですが、ここまで来たら気持ちで勝ってもらいたい。積み上げてきたものをゆるぎないものにして、チームみんなで強く生きるのみ。選手は仕事もしていますので、職場でもそうですし、1週間いい準備をしてもう一度ホームで“闘いたい”です」
 
運命の最終戦は11月13日(日)13:00キックオフ。ホームの愛鷹広域公園多目的競技場に静岡第4のJチーム誕生の瞬間が訪れる──。
 
(取材・文・写真:出川啓太 編集:遠藤由次郎)

DATA

試合結果

セカンド・ステージ第14節(会場:柏の葉公園総合競技場)
ブリオベッカ浦安(0-1)アスルクラロ沼津
 
メンバー)
GK 30.石田良輔 DF 4.田中舜 3.藤原拓也 22.徳武正之 18.尾崎瑛一郎(Cap.) MF 7.鈴木将也 17.太田一輝 24.沓掛勇太 9.中村亮太(→23.白石智之[後半27分]) FW 19.薗田卓馬(→20.中筋誠[後半34分])10.青木翔大(→13.鈴木淳[後半43分])
 

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