静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

J3への船出は黒星スタート。明確になった手応えと課題  vs福島ユナイテッドFC

─明治安田生命J3リーグ第2節(2017.3.18)─

昨シーズン、JFLで年間順位3位という結果を残し、見事J3昇格を果たしたアスルクラロ沼津。念願だったJリーグの舞台で、アスルクラロの戦士たちはどのような戦いを見せてくれるだろうか。参入初戦は3月18日(土)、ホームの愛鷹広域公園多目的競技場に福島ユナイテッドFCを迎えて行なわれた。昨季、最終戦を終えた吉田監督は「静岡県東部地区にアスルクラロ沼津あり!これからも走り続けたいと思います」と宣言した。クラブの真価を示す戦いはここから始まる。

高いモチベーションで
福島を圧倒するも……

待ちに待ったJ3初戦は
高いモチベーションを胸に

「沼津は今日がホーム開幕ということもあり非常にモチベーションが高く、運動量や球際の強さというところで、我々が完全にノマレてしまいました」

試合後、福島ユナイテッドFCの田坂和昭監督がこう振り返った通り、試合は序盤からアスルクラロがペースを握る。前線から激しいプレスを仕掛け、福島ユナイテッド陣内でボールを奪うとすばやくゴール前にボールを供給する。前半12分、16分と立て続けに、右サイドに張った中村亮太がチャンスをつくりゴールに迫る。34分には、菅井拓也が右サイドから上げたクロスを薗田卓馬がヘディングで合わせるが、これもわずかにゴール右に逸れる。

福島ユナイテッドを圧倒しチャンスをつくることで、Jリーグの舞台でも通用することを証明するアスルクラロ。しかし、フィニッシュで精度を欠き、ゴールを決めることができない。すると44分、福島ユナイテッドが牙を剥く。バイタルエリア中央でボールを受けたアレックスが、アスルクラロDFラインの裏にスルーパスを送ると、これに反応した星広太がゴールに流し込む。アスルクラロは一瞬の隙をつかれワンチャンスをモノにされてしまった。つづく45分にも星にクロスバー直撃となるミドルシュートを放たれるが、これはなんとか凌ぎ、試合を折り返した。

可能性を感じさせるも
勝利には届かなかった

1点を先制されたアスルクラロだが、後半になっても高い運動量を保ったまま、自分たちのペースで試合を進める。後半8分に右サイドからのアーリークロスを沓掛勇太が、13分には左サイドから田中舜があげたクロスに中村がゴール前で合わせるも、これもゴールを割るまでには至らない。

すると後半15分、またも福島ユナイテッドに追加点を奪われてしまう。

「失点シーンは2つとも、ペナルティエリアの近くで前を向かれて、ルックアップされ、前向きの選手に走り込まれてシュートを打たれてしまった。前を向いて走り込まれてしまったら、泥臭く、意地でもついていかないといけない」

試合後に吉田謙監督から説明があった通り、ペナルティエリア付近で一瞬マークをハズされ前を向かれてしまったことが失点の原因となった。

2点を先行されたアスルクラロは、後半24分にFW2枚を交代し攻撃のスピードアップを促す。すると4分後、交代で入った小牧成亘が左サイドからドリブルでバイタルエリアに切り込み右サイドに展開。これを中村がダイレクトでゴール前にフワリと浮かせると渡辺亮太がヘディングで合わせ、1点を返すことに成功する。

完全な勝利も
完全な敗北もない

見事に吉田監督の起用に答えた渡辺のゴールで反撃ののろしをあげたアスルクラロだったが、その後、同点ゴールを奪うことができないまま試合終了を迎えた。

「完全な負け、完全な勝利というものはなくて、勝っていても反省しなくてはいけないことはあります。今日は負けてしまいましたが、次につながる素晴らしいプレーもありました。課題と向き合い、今日の試合で得た手応えをより大きなものにできるように、次の試合までに修正していきたいと思います」(吉田監督)

「アスルクラロ沼津の歴史、東部地域の期待を考えると、どうしても勝ちたかったのですが、そんなに甘いものではなかった。自分たちができた部分と改善しないといけない部分が明確になった試合でした。そういう意味では、悲観的になる必要はなくて、この一週間でしっかりと準備して、次の試合に臨みたいと思います」(尾崎瑛一郎)

Jのピッチで確かな手応えと課題を得たアスルクラロは25日(土)、ホーム初戦を勝利で飾った藤枝MYFCと対戦する。静岡ダービーでのJ初勝利に期待したい。

PICK UP

貪欲にゴールを狙う
長身FW渡辺亮太

日本体育大学を卒業後、2012年から愛媛FCに加入。J2のピッチで3年間を戦った経験を持つ。昨年はAC長野パルセイロに身を置き、今年からアスルクラロ沼津に完全移籍を果たした。190cm、84kg。開幕戦となるこの日、途中出場からわずか4分後にゴールを挙げた期待の長身FWに試合後、話を聞いた。

「たくさんのお客さんが試合に足を運んでくれた中で、やはりJリーグの初勝利を届けたかったなというのが、正直な今の感想です。後半途中まではベンチで試合を見ていて、いい形でチャンスはつくれていたのですが、点を取られてちょっと相手に押し込まれる場面が増えていたので、自分が出たらしっかり点を取ろうという気持ちで準備をしていました。

得点シーンについては、一度、自分がいる逆サイドにボールが展開されて、相手の注意がそっちにいったときに、いい準備をして待つことができて、それがゴールに向かっていくパワーにつながりました。中村亮太ともいい関係がつくれていて、目があってボールが来たのであとは決めるだけでした。

ピッチに出たら貪欲に、ゴールに直結する動きをすることを考えていました。ゴールを決められたことは素直に嬉しかったですし、2点目を取りにいけるような流れに持っていきたかったです。チームの歴史の1ページに刻まれたことは嬉しいですが、まだ勝てていません。次は静岡ダービーですし、応援してくださる人たちのためにも勝ちたいと思います。

やはり高さがほかのチームメイトにない僕の長所なので、今日のように途中からでも試合に出たときにはその特徴を生かして得点に結びつけることができたらいいと思います。今日は特に監督から何をしろと指示を受けたわけではなくて、どうすればゴールに近づけるかを考えた結果、僕がヘディングで勝って、ゴールに近い位置でプレーできたら得点に結びつくと考えていました」。

DATA

試合結果

J3リーグ第2節(会場:静岡県愛鷹広域公園多目的競技場)
アスルクラロ沼津(1-2)福島ユナイテッドFC

メンバー)
GK 20.石井綾 DF 18.尾崎瑛一郎 4.田中舜 22.徳武正之 2.藤嵜智貴 MF 15.菅井拓也 6.沓掛勇太 17.太田一輝 FW 9.中村亮太(→14.白石智之[後半32分]) 10.青木翔大(→16.小牧成亘[後半24分])19.薗田卓馬(→29.渡辺亮太[後半24分])

 

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