静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

アウェイで先制するもロスタイムに勝利を逃す vs SC相模原

─明治安田生命J3リーグ第7節(2017.5.7)─

前節はJFL時代から名勝負を繰り広げてきた鹿児島ユナイテッドFCをホームに迎え、2−0で勝利したアスルクラロ沼津。Jリーグ昇格イヤーながら好調を維持し、これまで3勝2敗0分。今節もSC相模原のホーム、ギオンスタジアムでチーム全員がハードワークするアスルクラロらしいサッカーを見せてくれた。

ハードワークで攻守において相模原を圧倒

「相模原には大きい選手が揃っているので、ディフェンスラインの背後にボールを送って、相手に後ろを向かせてプレスをかけていくことを意識しました」
 
チームの舵取り役である菅井拓也の狙い通り、試合は立ち上がりからアスルクラロがペースを握る。センターバックに定着した藤原拓也が、得意の左足で頻繁に右サイドへロングボールを放り込みチャンスを演出する。前半14分、右サイドを駆け上がった中村亮太がファーサイドにクロスをあげると、前澤甲気がダイレクトで折り返し最後は薗田卓馬が押し込んで先制する。薗田は今季、早くも4ゴールを記録。ストライカーとしてしっかり結果を残している。
 
「みんなが繋いだボールが最後にぼくのところに来たのでうまく決めることができてよかったです。得点王は狙っていますが、目の前の一試合一試合が勝負だと思っています」
 
試合後に本人がそう語った通り、次の試合に集中して臨むことが好調の要因だろう。
 
1−0で試合を折り返したアスルクラロだったが、相模原が後半開始から193cmのブラジル人FWジョン ガブリエルを投入すると、徐々にペースを奪われる。ショートパスをつなぐ前半のスタイルを捨て、前線のジョンにボールを集める相模原に対し、アスルクラロはジョンを潰しきれない。ジョンに攻撃の起点をつくられ徐々に押し込まれると後半19分、麦倉捺木の左足のクロスをジョンにヘディングで合わされ追いつかれてしまう。
 
「捺木とジョンは本当に感覚がピタリと合っているので、得点した形が練習からバンバン出ていました。今日は先発で捺木を起用していたため、当初からゲームプランとしてジョンを早い段階で入れようと思っていました」(相模原・安永聡太郎監督)
 

劇的な展開となったロスタイム

同点とされたアスルクラロは、前半からのハードワークで消耗したFW2枚を代えて、勝ち越し弾を狙いにいく。試合は1−1のままロスタイムに突入。ここでアスルクラロが意地を見せる。後半20分から投入され、攻撃の起点となっていた青木翔大が左サイドからのアーリークロスを冷静に流し込み勝ち越しに成功する。
 
「ベンチから見ていて後半は絶対にチャンスが来ると思っていました。向かい風でボールが止まると言うことはわかっていたので、積極的に相手の背後を狙っていった結果だと思います。チームのみんながあそこまでボールを運んでくれて、狙ってはいたんですけど、たまたまそこに自分がいただけでチームの得点だと思っています」(青木翔大)
 
勝利を確信し喜ぶアスルクラロ。しかし、以前から吉田謙監督が課題にあげる「最後まで守りきれない」守備の弱さが顔をのぞかせてしまう。後半49分、相手コーナーキックをGK石井綾がパンチングするも中途半端なクリアとなり、これをジョンにヘディングで押し込まれ試合終了。最後の最後であと一歩勝ちきることができないチームの課題が浮き彫りとなった。
 
「今日、勝ちきれなかった原因は、高さのある相手にセットプレーを与えてしまったことと、ボールの失い方がよくなかったことです。選手たちは試合でもトレーニングでも、みんな全力で臨んでくれているし、アウェイが続く中、短い準備期間で課題を整理して彼らとともに進んでいきたいと思います」(吉田謙監督)
 
「最後の最後に追いつかれた場面で、セットプレーを与えてしまったところもそうですし、最後のところで守りきれない甘さがあると感じました。チームとしての強さ、粘りが足りなかったので、練習からしっかり個々で追求していく習慣をつけるべきだと思いました」(菅井拓也)
 
課題が出た一方、長所であるハードワークは相手チームの脅威となっていることも確かだ。
 
「アスルクラロは、球際の激しさやセカンドボールへの反応がすごくよくて、チーム一丸となって向かってくる印象を受けました。手強かったです」(相模原・辻尾真二)
 
このままハードワークを続け、守りきれないという課題を克服したとき、アスルクラロの連勝街道が始まる。
 

PICK UP

「選手と一緒にゴールを狙いにいく気持ちで応援している」双子のちびっこアスルサポーター

今節は、アウェイにも関わらずお父さんと一緒にゴール裏に駆けつけた双子のちびっ子サポーター(写真左からみう君、みお君)に話を聞いた。
 
みお君、みう君(11歳)
 
ーーふたりは何歳?
みう君 ふたりとも11歳です。
みお君 双子です。
 
ーーアスルクラロを何年くらい見ているの?
みお君 3年くらい。アスルクラロの試合を観るのが楽しい。
 
ーー好きな選手は?
みお君 石井選手。普通に守ってくれるんだけど、いざとなったときにかっこよく防いでくれる。
みう君 薗田選手。ピンチのときでもどんどんゴールを狙いにいってくれるから。今日も先制点を決めてくれてうれしかった。
 
ーーアスルクラロの好調の要因はどこにあると思いますか?
みう君 みんな、すごくがんばってる。
みお君 最後は同点で終わっちゃったけど、ぼくは選手と一緒にゴールを狙いにいく気持ちで応援しています。そういう一体感が好きだし、強い理由だと思います。
 
ーーいつも競技場に応援に来てるの?
みお君 ホームの試合はほとんど。あとアウェイでも近くだったらお父さんと一緒に観に行きます。
 
ーー次節は勝ってもらいたい?
みう君 はい。諦めないで、チャンスが来たらゴールを狙ってもらいたいです。
みお君 一生懸命、最後まで諦めないで90分間戦ってほしいです。

DATA

試合結果

J3リーグ第7節(会場:相模原ギオンスタジアム)
SC相模原(2-2)アスルクラロ沼津
 
アスルクラロ沼津メンバー)
GK 20.石井綾 DF 18.尾崎瑛一郎 22.徳武正之 3.藤原拓也 2.藤嵜智貴 MF 15.菅井拓也 7.鈴木将也 11.前澤甲気 50.染矢一樹(→10.青木翔大[後半23分])FW 9.中村亮太(→14.白石智之[後半35分]) 19.薗田卓馬(→16.渡辺亮太[後半33分])
 
SC相模原メンバー)
GK 16.藤吉皆二朗 DF 15.辻尾真二 3.工藤祐生 5.梅井大輝 20.麦倉捺木 MF 4.岡根直哉 38.千明聖典 10.菊岡拓朗(→24.川戸大樹[後半11分]) 21.徳永裕大(→7.保﨑淳[後半34分])FW 14.普光院誠 13.久保裕一(→9.ジョンガブリエル[後半0分])
 
 

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