静岡県東部からJリーグへ-アスルクラロ沼津の挑戦-

守護神・大西がゴールを死守!ドローながらリーグ2位に浮上 vs ガイナーレ鳥取

─明治安田生命J3リーグ第19節(2017.8.20)─

7月のリーグ戦から約1ヶ月の中断をはさみ、久々に愛鷹のピッチに立ったアスルクラロ沼津。対戦相手は、キャプテンである尾崎瑛一郎の古巣、ガイナーレ鳥取。7月の対戦では、アスルクラロが2点を先行するも、終了間際に追いつかれる苦しい展開だった。早速訪れた再戦の機会で、アスルクラロはどのような戦いを見せるのだろうか。

首位を狙い、スピードスター染矢が躍動

試合前、アスルクラロ沼津の順位は、17試合を消化して勝ち点34の3位。J3加入初年度としては上出来と言っていいだろう。さらに、今節は首位秋田のゲームがなく、前日に開催された試合では2位富山が敗戦。アスルクラロが勝利すれば、暫定ながら得失点差で首位に立てる状況だった。選手たちはもちろんその状況を把握しており、何が何でも勝利がほしかった。対する鳥取のフォーメーションは3-4-3。キーポイントになるのは、左サイドに入る河合秀人が高いポジションをとれるかどうか、だ。
 
立ち上がりは両チームともプレーが固い印象。久しぶりのリーグ戦、ピッチの状況も重なり、両チームともにパスがずれたりトラップが流れたりするなど、細かなミスが目立つ。そんな中、ファーストシュートを放ったのは鳥取。中盤の広いスペースでボールを受け、そのまま持ち上がってミドルシュートを打つ。枠内に飛んでいたが、GK大西 勝吾が防いだ。
 
一方、アスルクラロは染矢一樹が精力的に走り回る。味方がボールを奪うと即座に裏へ走り出し、ロングパスを引き出す。「それが自分の仕事。裏へ走り出して相手DFを後ろ向きに走らせる。それができなければ、自分は出場できない」と染矢自身が話すように、この試合で真っ先に走り出していたのは常に染矢だった。シーズン序盤はその動きを仲間に見てもらえず、ボールが出てこないため、フラストレーションを溜める場面も見受けられたが、「練習から口すっぱく言ってきた」(染矢)成果が確実に出始めているようだ。
 
その染矢の姿勢は前半のうちに報われる。アスルクラロのストロングポイントである右サイドの尾崎・中村コンビが、時間とともに徐々に高い位置を取れるようになっていくと、30分に試合が動く。右サイド、コーナーフラッグ付近まで攻め上がった中村が低いクロスを入れると、ニアサイドで待っていたのが染矢。マークを背負いながらわずかに触って逸らしたボールが、ゴールネットに吸い込まれた。アスルクラロはこの1点差を保ったまま、前半を折り返す。
 

追いつかれるも、守護神・大西に助けられる

後半に入ると、鳥取がシステムを変更する。森岡隆三監督は、その狙いを「アスルクラロの右サイドに押されて、鳥取のストロングである左サイドの河合秀人が押し込まれてしまっていた。そのミスマッチを解消したかった」と話した。後半4分、鳥取の右サイド深くにロングボールが出されると、谷口智紀が後逸。これを鳥取FWに拾われ、最後は加藤潤也に押し込まれ、スコアは振り出しに戻った。この日スターティングメンバーに名を連ねた谷口は、実に7試合ぶりとなるリーグ戦出場だった。
 
鳥取のシステム変更は、明らかに功を奏した。サイドでの数的不利が解消され、高い位置をとってアスルクラロのサイドバックをけん制し、全体のラインを下げさせた。パス、ドリブル、コンビネーションを用いてゴールに迫っていく。だが、鳥取のシュートをことごとく大西が防いだ。
 
この日の大西の安定感は際立っていた。「弾くところは弾く、蹴るところは蹴る、繋ぐところは繋ぐと、自分ができることを迷うことなくハッキリとできたと思います」と語ったように、自信に満ちたプレーでアスルクラロのゴール前に立ちはだかった。
 

PICK UP

1−1のドロー決着。収穫は守備力の向上

アスルクラロは選手交代で状況の打開を図る。これまでの試合と同じように、前線の2枚を変更。後半17分に染矢に変えて小牧、後半33分に薗田に変えて青木、後半42分には太田に変えて白石を投入した。だが、両チームとも決定機を迎えるが決めきることができず、1-1のドローで終了した。
 
試合後、吉田監督は「静岡県東部地域の方々に、勝利で恩返しができず、残念に思います」と肩を落とした。中断期間中は、アスルクラロの課題だった終了間際の失点を解消するためのトレーニングを積んだ。確かに引き締まった守備を見せ、大西のビッグセーブもあり、失点は喫したものの、これまでとは違う闘志を見せていたのは間違いない。だが一方で、こういった重要な試合で勝ちきり、確実に勝ち点を重ねていく安定感を身につけることが、新たに見つかった課題と言えるかもしれない。
 
勝ち点1を加えたアスルクラロは、第19節終了時点で、勝ち点35で富山と並び、得失点差で上回り2位に浮上した。
 

DATA

試合結果

J3リーグ第19節(会場:静岡県愛鷹広域公園多目的競技場)
アスルクラロ沼津(1−1)ガイナーレ鳥取
 
アスルクラロ沼津メンバーGK 31.大西勝吾 DF 18.尾崎瑛一郎 22.徳武正之 27.松藤正伸 28.谷口智紀 MF 6.沓掛勇太 9.中村亮太 15.菅井拓也 17.太田一輝(→14.白石智之[後半42分]) FW 50.染矢一樹(→16.小牧成亘[後半17分])19.薗田卓馬(→10.青木翔大[後半33分])
 
グルージャ盛岡メンバー
GK 33.杉本拓也 DF 4.秋山貴嗣 23.井上黎生人 28.山道淳司 MF 7.廣田隆治(→2.稲森克尚[後半0分]) 8.河合秀人 15.石井光輝(→11.原口拓人[後半36分])16.池ヶ谷颯斗 FW 17.加藤潤也 18.沼大希 20.岩元颯オリビエ(→27.畑中槙人[後半42分])
 
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