いま、ヤンマースタジアムに向かってます。

竹田聡一郎コラム 日々是蹴球

竹田聡一郎(たけだそういちろう)

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第四百八十四試合

スルガ銀行チャンピオンシップ2018OSAKAはじまるよのボール

W杯ロスになっている人も、ますますサッカーに狂ったファンも必見のゲームが夏に開催される。
 
そう、「スルガ銀行チャンピオンシップ2018 OSAKA」だ。今年で11回目。スルガ杯、スルチャンなどの略称やミッドサマーのガチ国際試合としてもだいぶ認知されてきた。
 
今年は2017の、JリーグYBCルヴァンカップとCONMEBOLスダメリカーナをそれぞれ獲ったセレッソ大阪と、インデペンディエンテ(アルゼンチン)との対戦になる。
 
セレッソは初出場、インデペンディエンテは南米勢クラブとしては初の2回目のスルチャン挑戦だ。2011年、エコパでジュビロと2-2で撃ち合い、PK戦では川口能活が2本ストップしてジュビロが勝っている。ルーキーだった山田大記がアルゼンチンの選手を鋭いターンで置き去りにしていたのも印象的だった。
 
インデペンディエンテで言えば2点目、ファクンド・パッラの突破からのゴラッソはインパクトがあった。3人に囲まれながらも、バスケでいうペネトレイト的にDFの間を身体ごとすり抜けるドリブルで、飛び出してきた川口をチップキックでいなしゴラッソ。記者席で立ち上がってしまったのを覚えている。
 
このパッソもそうだが、インデペンディエンテはセルヒオ・アグエロ、ディエゴ・フォルラン、ブストス・モントージャなどがOBにいる、鋭いアタッカーを排出してきた名門だ。
 
現役ではマクシミリアーノ・メサがいる。
 
彼は今回のロシアW杯ではメッシと共にアルゼンチンの翼を担い、全4試合に出場した主戦力だ。おそらく右サイドで起用されるので、対面で迎えるのはセレッソの左サイド、清武弘嗣、高木俊幸、丸橋祐介あたりか。ただ、厄介なことにメサのナワバリは非常に広く、中に入ってもチャンスを作るので、ボランチ、こちらも日本代表で3試合に出場した山口蛍の警戒網にかかると思われる。バチバチのワールドスタンダードの攻防を見せてくれるはずだ。
 
僕はこのスルガ杯の何が好きって、来日したほとんどすべてのチーム、選手、サポーターが本気でトロフィーを狙っているあのヒリヒリした雰囲気だ。1発勝負の国際タイトルは世界でもそれほど多くないので、ワンプレーで、1ジャッジですべてが変わる目の離せないゲームとなる。
 
インデペンディエンテの例だと、11年大会の表彰式でカップを掲げるジュビロの選手を横目に、その辺にあったパイプ椅子をブン投げていた選手がいれば、体育座りをしながら手元の芝をプチプチと抜いては払ってイジケている選手もいた。
 
写真のスタンドは試合前だが、試合後は怒り狂ったサポーターが汚い言葉とペットボトルを投げまくった。彼らはそのあと、袋井や掛川の街で大騒ぎしたと聞いた。
 
もちろん、すべてが褒められた言動ではない。サッカーのダークサイドとも言える。でも、正直に言うと、それが嬉しかったり、楽しかったりするのもサッカーの真理なのでは、と僕は考えている。今年はどっちが歓喜に包まれ、どっちが屈辱にまみれるのだろう。
 
過去10大会は日本勢の6勝4敗(3PK戦含む)で、2点差以上がついたのは15年大会(ガンバ大阪0-3リーベル・プレート) のみ。また暑く熱い接戦になりそうだ。8月8日、キックオフは19時の予定だ。ヤンマースタジアム長居でお会いしましょう。 
 

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竹田聡一郎(たけだそういちろう)

1979年神奈川県生まれ。同い年の小野伸二にヒールで股抜きされたことを妙な自慢としながら、フリーランスのスポーツライターとして活動。戦術やシステムを度外視した「アンチフットボールジャーナリズム宣言」をして以来、執筆依頼が激減したのが近年の悩み。著書に蹴球麦酒偏愛清貧紀行『BBB』(ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅/講談社文庫)と、このコラムを書籍化した『日々是蹴球』(講談社)がある。

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