サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

インテリア業界のプロフェッショナルである松澤 剛は、アルゼンチンのサッカー選手であるパブロ・アイマールをこよなく愛している。
サッカー選手として彼に憧れるのはもちろん、理想とするデザインの形もプレイの中に見出せたのだと言う。

難しいスポーツであるサッカーに惹かれた小学生時代

僕がサッカーを始めたのは、小2からですね。3つ上の兄貴が始めたのをきっかけに、マネしたいと感じました。難しいスポーツであることに子どもながらに惹かれたのだと思います。足を使うサッカーは、野球よりもプレイとしての難易度が高い気がしたし、1点を入れることに対しての重みも違う。また、見ていて躍動感のあるスポーツだとも思いました。最初のポジションはカズに憧れてのウィングでしたね。サッカーが本当に好きで、ランドセルにはいつもサッカーボールが引っかかっていたのを覚えています。

日本のサッカーカルチャーを生み出したカズへの尊敬

日本の選手で尊敬するのは、やはりカズ。静学を中退して、ブラジルに行った行動力はすごいですね。まず、見ている視野が全く違うんです。僕らがブラウン管でダイヤモンドサッカーを見ているときに、カズはそれを等身大で見たのでしょうね。僕はここに立つべき人間だ、と。僕らの高校時代のスケールだと、例えば都大会突破とか、レギュラーをとろうとかそんなものです。

しかし、カズは静学にはいるものの、それは本質的には関係なくて、自分がどうあるべきかをちゃんと見出したんでしょう。結果として、今の日本のサッカーカルチャーを作り始めたのはカズだと思います。その後は、みんなブラジルを目指し始めましたからね。

自分の完成型はパブロ・アイマール

サッカーをやっていた人間って、自分のスタイルというのが少なからずあるんです。そして、自分の完成型を夢見るんですね。それこそ僕の理想型はパブロ・アイマール。彼は背もあまり高くないし、パワーもないけれど、ゲームを組み立てるクリエイティブさは秀逸です。可能性を見出す瞬間的な判断力と展開力も素晴らしい。要するに、こうなりたかったという自分をパブロに見たんです。デザインのフィールドでも、パブロには憧れますね。彼のパスのような繊細かつ雄大なデザインがしてみたいです。いつかパブロのパスをイメージした「16」というタイトルの椅子でもつくってみようかと(笑)。

サッカーとデザインを取り巻く現状

いまは自身のレーベルの他に「デザインタイドトーキョー」という今秋行われるデザインイベントの仕事に力をいれているのですが、日本のデザインを取り巻く状況とサッカーのそれとは似ていますね。まるで御神輿のように何でも「デザイン」という言葉を付けて祭り上げられている。サッカーも同様に、芸能人がサッカー番組の司会をやったり、選手がタレントのように扱われたりと、ミーハーな切り取られ方をされている。全てが悪いとは言いませんが、そろそろ本質を求める時期だと思います。デザインにおいて、日本の消費者には分かっている人が多いですから、ちゃんと核のあるデザインイベントをつくっていかないと、直きになめられるでしょうね。だからこそ、これまで先代のデザイナーが培ってきたことに意味があります。やはり、サッカーも同じこと。ダイヤモンドサッカーが放送されていたのも、クラマーが日本に来て教えたことも全てに意味があるんです。今はその上に成り立っているわけですから。日本のデザインもサッカーも発展途上なのでこれからでしょうね。今後は、世界に響くデザイン、そしてサッカーを日本から発信できると信じています。

松澤剛 プロフィール

松澤剛(マツザワツヨシ)

松澤剛プロフィール

E&Y代表取締役

1974年神奈川県生まれ。フリーランスでの活動後、株式会社マシンエイジ(MODERNICA)入社。同社退社後、1999年E&Y入社。現在、インテリアとプロダクトを軸としたデザインエディターとして国内外のデザイナーの作品をプロデュースしている。東京をはじめ、ミラノやロンドンで発表している現コレクションは50点以上になる。近年ではZANOTTAとのコラボレーティブエディションを2006年に発表し、2008年ミラノでインテリアオブジェクトの新作を発表した。また、DESIGNTIDE TOKYOやDESIGNINGなどの国内のデザインイベントのディレクター、アドバイザーも務める。サッカーは兄の影響で8歳に始め、大学卒業後25歳まで続ける。最近は学生時代や仕事の仲間とフットサルなどを楽しんでいる。好きなプレーヤーはパブロ・アイマール。

ページの先頭へ