サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

京都の国体選抜やコンサドーレ札幌の練習生となるなど、サッカーとともに人生を歩んで来たアーティスト大谷一生。2003年以降、HIPHOPグループJUICE、The Phanky OKstraのMCとしてメジャーフィールドで活動しながら、同時にアーティストとして、高橋幸宏やSugar SoulなどのCDジャケットに絵を提供してきた彼の創作活動には、サッカーがどんな影響を及ぼしているのだろうか。

親に怒られて続けていました(笑)

小学校2年生から友達に誘われて、少年団に入ったのがきっかけです。そうしたら、そのチームがむちゃくちゃ厳しくて、一瞬にして辞めたいと思ったんです。でも、簡単に辞めたいって言ったら、親に怒られてしまって、どうにか続けていた感じでした(笑)。楽しくなりだしたのは4年生ごろで、“おまえはチームのエースだ”みたいに褒められ始めてからです。5、6年生で、京都の国体選抜に選ばれて、海外遠征にも行きました。相変わらず練習は死ぬほど厳しかったんですが、このころチームがすごく強くて、ほとんど負け知らず。やっぱり負けないと楽しいですよね。

プロへの挑戦。そして、ふたたびの挑戦

中学はクラブチームで、そんなに強いチームではなくて、小学校から考えると我慢の時代(笑)。当時は、高校サッカーの先輩高校生たちがスターでした。

山城高校の石塚は、まさにその1人。実は僕、その山城高校に行きたくて1年浪人しているんです。念願叶った山城高校は、自分のサッカー人生のなかでピークでした。結局全国は行けなかったんですが、レギュラー全員がそのまま京都国体選抜みたいなチームで、当時の日本代表も一人いました。3年のとき、Jリーグの4つのチームからお誘いをいただいて、結局コンサドーレ札幌のチームの練習生になったんです。もうその時は目標を前にして楽しいというより必死でした。結果は残れずで、プロは諦めましたね。それで、進路を決めねばならず、小論文と絵で入れるという和光大学を受けたら受かってしまって。絶対、大学に受からないと思っていたので、合格を聞いた瞬間、これでもう一回プロを目指せると思ったんです。どんなに弱いチームでもいけるって自信があって。いやー、今考えるとすごい自信ですよね(笑)。それから、今の横浜FCのプロテストを受けたら最終10人くらいまで残って、当時監督のリトバルスキーにドリブルいいじゃんて褒められて(笑)。それでも、最終的にはだめでした。そこで完全にプロは諦めましたね。

オランダトリオの衝撃

観た試合で一番思い出すのは、90年のトヨタカップです。オランダ・トリオがいたミランとパラグアイのオリンピアとの決勝戦で、フリットがまたぎフェイントでクロスをあげて、ライカールトが頭で入れたシーン。これはスーパーインパクト! そして、サッカーを見て始めて泣いたのは、やっぱりW杯初出場を決めた瞬間。あれは泣きましたね。

個性が活きるサッカー/アーティストとしての個性

小学校から所属してきたどのチームも、基本的に個性の塊のようなチームでした。でも、サッカーをやっていて感じたのは、チームの強さにとって、メンバーたちの仲の良さがすごく重要なんだということです。仲が良ければ全てを許せて、カバーもして、みんなで闘えっているという感覚があります。でも、コミュニケーションがとれていないと、責任のなすり付け合いみたいになってしまうんですね。だから、人間性は大事。人間性=プレースタイルは本当にそうなんです。今、絵を描くことを仕事にしていますが、サッカーから瞬発力、決断力をもらった気がします。サッカーでは、ここで点を取らなきゃみたいなことがあるんですが、絵もここで勇気をもって線を引かないと、という瞬間があって、そういう瞬間が繋がっていて、サッカーをやっていてよかったと思いますね。それと、ずっと諦めなかったっていうのは絶対に大きい。選手時代、ずっと個性で勝負するチームにいれたことも、今の仕事にとってすごくよかったんじゃないでしょうか。今はフットサルをやっているんですが、しない日が続くと、絵もダラダラとなってしまうんです。コンスタントにやっているときは、フィニッシュの線も迷わず引ける。サッカーやフットサルで絵を描く感覚や筋力を鍛えているみたいなものですね。

大谷一生 プロフィール

大谷一生(オオタニイッセイ)

大谷一生プロフィール

アーティスト

1977年京都府出身。2003年、ソニーよりヒップホップグループJUICEのMCとしてメジャーデビュー。その後、The Phanky OKstraのMCとしても活躍。現在は、平行して活動してきたアーティストとして精力的に作品を発表している。これまで高橋幸宏、Sugar Soul、SOUL SCREAM、山嵐、ミュースターズ、VEEなどのCDジャケットを手掛ける。

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