サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

メキシコのカルチャー誌「BabyBabyBaby」最新号にフォトストーリーが掲載されるなど、ガーリーな世界観がイギリス、日本のみならず国際的に注目を集めているフォトグラファー関根綾。現在はロンドンを拠点に活躍している彼女に、フォトグラファーが見たサッカーの母国を語ってもらった。

サッカーとの出会い

ちょうど私が中学生だった時にJリーグが始まり、一大ブームに乗っかる形で、ルールも知らなかったですけどサッカーを見るようになりました。横浜に住んでいたのですが、ゲーリー・リネカーが好きだったので名古屋グランパスを応援していました。欧州サッカー好きの女の子友達もいて、彼女に色々と教えてもらいました。その子に連れられてACミラン対ヴェルディの試合を見に行ったのが、スタジアムでの最初の観戦だったと思います。高校卒業後にロンドンに留学することになるのですが、その頃はJリーグへの興味も薄れてほとんどサッカーは見てなかったと思います。

選手ではなくクラブのファンに

ロンドンに留学した当初はとにかく生活に慣れるのが精一杯で、周りのことに目を配っている暇がなかったのですが、徐々にペースが掴めてくるにつれ、友達も出来、いろんなことに目が行くようになりました。当時住んでいたのは、フルハム地区。当時はトップリーグであるプレミアリーグの下のリーグに所属していたと思うのですが、試合のある日は道路だけでなく、駅も封鎖され、道にはサッカー観戦に行く人で溢れているという状況で、あの大ブームだったJリーグ開幕当初でも見たことのない風景でした。

それから徐々にサッカーへの興味が戻ってきました。バイト先のイギリス人の男の子がチェルシーファンだったこともあり、チェルシーFCのファンに自然となりました。イギリスのサッカーファンはクラブにつくというか(忠誠を尽くすと言った方がニュアンスは近いかもしれませんが)、特定の選手のファンっていうのはあまりないようですね。「誰が一番好き?」と言われても、特定の誰というのはなく、とにかく試合で活躍した選手がその時の好きな選手と答えています。リネカーが好きになって名古屋グランパスのファンになったのとは逆ですよね。

サッカー母国の底力

留学時のバイト先の店長は筋金入りのアーセナルファンでしたので、チェルシーを応援しているってことは当然伏せていました(笑)。彼の家は代々アーセナルサポータで、お爺さんの代からのシーズンチケットは家宝のようなものだって言っていました。サッカーは労働者階級のスポーツと言われますが、その店長も典型的な労働者階級。彼にとってシーズンチケットは決して安いものではないでしょうが、何をおいても、そのチケットは死守するものという感じでしたから、家の誇りでもあるのでしょう。その店長に息子が生まれたときには、一番小さいサイズのアーセナルのユニフォームを着せてスタジアムに連れていき、写真を撮っていました。生まれた時からアーセナルのサポーターになるわけです。で、将来シーズンチケットは彼に引き継がれていく。こうやってサッカー文化が継承され、強くなっていくのだと思いました。

私のプレミアライフ

ロンドンでの週末はパブで過ごしています。夕方近くになると行きつけのパブに集まって、ダラダラとビールを飲んで試合が始まるのを待つ感じです。パブでの観戦で面白かったのは、2002年の日韓ワールドカップの時。

時差の関係で試合開始は朝の7時から。本当は朝にお酒を出すことは法律で禁止されているらしいのですが、その時ばかりはお咎めなしでビールも提供できたようです。平日でしたが、イングランド代表のユニフォームを着た人たちで店内は溢れかえっていました。当然仕事は休み。ワールドカップの試合中に働けというのが酷ですよね。当然私も今年の6月には同じように過ごしたいと思っています(笑)。

フォトグラファーとしての夢

サッカー選手のポートレート集は是非ともやってみたいです。アスリートの持つストイックな佇まいが好きなのです。以前マンチェスターでショップの撮影をしていた時に、偶然マンチェスター・ユナイテッドのリオ・ファーディナンドにあったことがあります。声をかけると気軽に話してくれ、写真も撮らせてもらいました。お店の外に偶然いた工事現場の人も、リオを見つけるとタブロイド紙のサンとかを買ってきてサインを貰いに来ていたのですが、気さくに応じていていい人でした。イギリスにおけるサッカー選手はいわゆるセレブ。少年に夢を与えるっていう意味ではよいのですが、不順な動悸で選手を目指したり、近づいたりする人も多くなっているようで、WAGs (サッカー選手の妻と恋人のこと)の話題を筆頭にゴシップ欄を毎日賑やかしています。セレブ扱いも最近はちょっと度が過ぎているようで、ちょっと面白くないなと思っています。やっぱり写真の被写体としてサッカー選手にはストイックでいてもらいたいですからね。

関根綾が選んだベスト11

2010年のチェルシーはベスト11

今年はプレミアリーグ制覇いける!今のチェルシーはベストイレブン
チャンピオンズリーグでは、かつての監督だったモウリーニョ率いるインテルに破れてしまった我らがチェルシーですが、今年のチームはプレミアリーグ制覇はできると信じています。メンバーも充実しています。インタビューでも言いましたが、強いメンバーがベストメンバーということで期待もこめて(笑)。

関根綾 プロフィール

関根綾(セキネアヤ)

関根綾プロフィール

フォトグラファー

1978年神奈川県生まれ。1999年渡英。
ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティング卒業。フリーランスフォトグラファーとして、英サタデー・テレグラフ・マガジンをはじめ、イギリス、日本など世界各地で作品を発表。

ページの先頭へ