サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

「セントラルパーク」という名のデザイン事務所を主宰する山田信男。「サッカーは一番クリエイティブなスポーツ」と断言する山田は、サッカーからどんな刺激を受けデザイナーになったのだろうか。公園を目の前にした事務所で聞いた、サッカーの思い出。

アイドルはオランダトリオ

サッカーをやっていたのは、小学三年から中学三年までです。はじめたきっかけは、完全にキャプテン翼ですね(笑)。サッカークラブには一年生の時から入りたかったんですけど、早生まれで当時は背も低く、身体が大きくなるまで親の許しがでませんでした。運動神経はよかったので、はじめた時からずっとレギュラー。ウイングやサイドバックなど足の速さを活かしたポジションでした。本当は高校でもやりたかったけど、千葉のサッカーレベルは高いから厳しいのは嫌だなと(笑)。小学校時代は完全にサッカー少年でしたね。常にゲームシャツやジャージを着ていましたし、部屋には好きな選手のポスターをいっぱい貼っていました。僕のアイドルはオランダトリオ。ACミランに所属するオランダ代表の3人で、ファン・バステン、フリット、ライカールトが大好きでした。小学生ながらに“オランダトリオ”っていう響きにキャプテン翼っぽいものを感じたんでしょうね(笑)。今も昔もずっとオランダ代表が大好きです。オレンジ色のユニフォームもカッコいい!小学校の卒業文集には将来の夢を“サッカー選手”と書きましたが、Jリーグ開幕は高校一年の時で、サッカー選手になるという夢が今の子ども達ほど現実的ではありませんでした。日本代表がW杯に出るなんて夢のまた夢の時代(笑)。

オシムの言葉はデザイナーにも効く

Jリーグが開幕した当初は観戦にも行きました。千葉出身なので、リトバルスキーのいるジェフを応援していました。その後、試合を観に行かなくなったんですけど、オシム時代のジェフのサッカーが本当に面白くて、改めて観に行ったりしましたね。最近はもっぱらテレビ観戦。本当に観たい日本代表やチャンピオンズリーグの試合などをサッカーバーで観ています。とはいえ、ネットでサッカー情報を毎日チェックしているんですけどね(笑)。ジェフの監督以来、オシムを尊敬しているので、本も何冊か読みました。プロサッカーに対して真摯な人ですよね。選手に対する要求も厳しい。僕は本を読んで感銘を受けた言葉を、サッカー選手に言っているのではなく、デザイナーの自分に言っている言葉だと置き換え、もっともっと精進しなきゃと励みにしています。

サッカーにまつわる思い出

印象に残っている選手はベルカンプ。僕が一番クリエイティブを感じる選手です。プレースタイルがとにかくお洒落!それに僕の大好きなオランダ代表。しかも所属クラブがアーセナル!(笑)。彼は飛行機に乗れない弱点があり実現不可能な願いでしたが、晩年をJリーグで過ごして欲しかった選手の一人です。小学生の時、ラモスがサッカークラブに来てくれて、一緒にサッカーしたことあるのが自慢(笑)。今ほど有名じゃなかったけど、僕は知っていたので嬉しかったし楽しかったよい思い出ですね。そのラモスも出場した“ドーハの悲劇”は、ものすごいインパクトでした。KAZUがW杯に出られなかったのはとても残念です。最後のショートコーナーであと一歩届かずクロスボールを上げさせたのもKAZUだし、あれがKAZUの運命なのかなと思うときがありますよね。でも、今も夢を諦めずにがんばっている姿がカッコいい。ずっと輝いていてほしい。いつまでも応援しています!

デザイナーでよかった

国外で好きなナショナルチームはオランダ、スペイン。クラブチームだとバルセロナ、アーセナル。共通点を考えてみると、攻撃的で美しいサッカーに魅力を感じるんでしょうね。あとは若い選手を積極的に起用するところ。育成システムがしっかりしているところにも好感がもてます。若手が成長して活躍している姿を見るのは嬉しい。最近は日本人の若い選手が国外でも活躍しているので、ますますの成長を期待しています。早くも次のW杯が楽しみ!僕もいい年齢になってきたので、サッカー選手のほとんどが自分より年下。もし、サッカー選手だったらそろそろ引退を考える頃ですよね。まだまだ現役で活躍している選手が突然クビになるプロの厳しい世界を目の当たりにすると、デザイナーでよかったなって心から思います(笑)。でも、もう一度人生をやり直せるなら今度こそ本気でサッカー選手を目指します!

クリエイティブの目覚めはサッカーから?

美大に入った時に驚いたのは、サッカー経験者がすごく多かったこと。世間のイメージからしたら文化系の最たる集まりじゃないですか。デザイン学科の友人がたまたまかもしれないけど、逆にサッカーが一番クリエイティブなスポーツであることを確信しましたね。あと、サッカー部の人ってみんなお洒落でモテたでしょ。カッコつけるのが基本的に好きなんですよ(笑)。サッカーは、すべてがひらめきの積み重ね。小さな局面からいきなり大きな展開になったり。そういう一瞬の判断から生まれる美しい景色の連続に創造性を感じるんだと思います。僕はスポーツ全般的に好きですが、観るのもやるのも一番楽しいのはサッカー!競技人口と視聴人口が一番多いスポーツもサッカー。それだけ世界中の人々を熱狂させる何かがあるってこと。

一番興奮するのはやっぱりゴールの瞬間なんですけど、0対0で試合が終わっても面白い球技なんて他にないんじゃないかな。試合中ずっと続く緊張感も好きです。点が入らないにしても、その裏にあるファインセーブやシュートミスなど、試合結果以上に興奮するポイントがいっぱいある。あんなに広いグラウンドで、しかも大きなゴールの前にキーパーが一人で守っているだけなのに、なんで点が入らないのか不思議ですよね。ゲームを最大限に面白くするルールづくりもまたクリエイティブだなって思います。サッカーをやっていた経験が、デザイナーという職業によい影響を与えていることは沢山あると思いますよ。近い将来、サッカーチームのロゴやユニフォームのデザインができたら嬉しいですね。

山田信男が選んだベスト11

僕のアイドル、憧れのベスト11

サッカー少年だった頃に憧れていた選手によるベストイレブンです。1990年イタリアW杯の時、僕は中学一年で、はじめて意識的にしっかりと観た大会です。その大会のベストイレブンというよりは、参加国中で僕のアイドルだった選手を選びました。オランダトリオも出場していたのですが、優勝候補にも関わらず、すぐに敗退し活躍はしていません。でも、自分のベストイレブンにはやっぱりこの3人を入れたい!フォーメーションは、好きな選手を先に選び、それに見合う構成を考えました。攻撃陣は創造力が豊かなので夢のようなゴールシーンを期待。全体に前掛かりになりそうな人選ですけど、磐石の守備陣だと思います。このメンバーなら個性を活かした美しいサッカーで魅了してくれるはず!こうして選んでみると、昔から南米よりヨーロッパの方が好きなことを再発見。プレースタイルやユニフォーム、選手の容姿や名前などにしても、やっぱりカッコいいのが好きなんですね(笑)。メディアを通して触れる機会が多いのも要因のひとつかな。トヨタカップでも知っている選手が多いヨーロッパのチームを応援しちゃいます(笑)。

山田信男 プロフィール

山田信男(ヤマダノブオ)

山田信男プロフィール

グラフィックデザイナー。1978年千葉生まれ。02年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。服部一成氏に師事。06年8月に独立し「CENTRAL PARK」を設立。「潔く美しい」デザインを得意とし、幅広い分野で活動中。
http://www.centralpark-tokyo.com/

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