サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

妖艶、繊細、静かなる威圧感。“切り絵”という広く親しまれる手法において、独自の表現方法を編み出し、唯一無二の世界観を呈し続けている切り絵作家・福井利佐。故郷である静岡県静岡市は言わずと知れた“サッカーどころ”で、キングこと三浦知良の実家であるもんじゃ焼き屋にも訪れるなど、青春時代はサッカーと触れながら過ごしてきた。8月に故郷静岡で、そして9月には念願だったヨーロッパでの個展を控える彼女に、サッカーの思い出、切り絵とサッカーの接点、そしてこれからの夢を聞いた。

憧れの人はみんなサッカー部?

いま住んでいる都内の自宅の近くにスポーツバーがあるんですが、すごいんですよね、騒いでいる声が(笑)。いまはEUROをやっていて、夜中にワー!って。みんな、次の日、平日だけど大丈夫なのかなって思っちゃうんですけど。でも、サッカーにそれくらい熱中してしまうのは分かります!

出身は静岡県静岡市です。静岡のど真ん中ですね。間違いなく、野球よりサッカーですよ、ここは。みんな幼稚園のころからボールを蹴っていました。静岡にはプロ野球のチームはないですが、清水エスパルスにジュビロ磐田という2つのJリーグのチームがあります。当時は清水エスパルスの試合にも行きました。元日本代表の川口能活選手が高校選手権で全国制覇したときは、清水市内(現・静岡市)でパレードしていましたよ。それと、カズさん(三浦知良)の実家(もんじゃ屋さん)も近くて。みんなで学校の帰りにお店に寄ったこともありました。お店のなかは、カズさんやお兄さん(三浦泰年さん)の写真であふれていたことが印象的でしたね。
青春時代の憧れの人はみんなサッカー部でした(笑)。運動神経のいい子、学校で目立つ子、マラソン大会で速い子といったら、だいたいサッカー部。野球部は「男!」って感じがするんですけど、サッカー部のみんなはオシャレな感じで。ミサンガとかしたり、髪型も私服もカッコよくて。でも、高校時代にお付き合いしていた人は野球部の人でしたけど(笑)。

切り絵と通じるところはセンスと集中力

日本代表戦ですか?見ます!いまは、本田圭佑選手や香川真司選手とか海外で活躍している選手がいて、頼もしいですよね。サッカーってあまり点数が入らないスポーツだから、ここぞというときの、パスワークとかシュートセンスとかが見ていて面白いなと思います。サッカーのゴールが決まるときって、パズルが組み合わさるかのように、美しい一本の線に導かれるかのように、パパッと決まりますよね。いま私は「切り絵作家」として活動しているのですが、作品を作っているときに、『これでいいんだ』と思いながらも、しっくりいかないことも多いのですが、ある瞬間、パパッと描けることがあるんですよね。どんな仕事も製作も必ず〆切があるので、その〆切までの時間の中で、自分の持ちうるすべての力とアイディアを出しきって、きっちり結果を出さなくてはいけないという集中力は、サッカーや、自分が経験したバスケットボールなどスポーツに通じるところがあると思います。

地元の静岡とドイツで個展

8月に静岡で個展を開くことになりました。今までも、新聞広告賞などの審査員や、県立美術館でのワークショップなど、静岡での仕事が多かったのですが、実は個展は初めてなんです。作家としての創作活動の原点となった作品から現在に至るまでの作品をたくさんご覧いただける予定です。ほかに、切り絵で作った映像作品や、Tシャツ、スニーカー、能装束などいろんなジャンルとのコラボレーション作品も展示します。切り絵単体としてだけでなく、切り絵を通して生まれる新たなプロダクトも見ていただくことで、切り絵の無限の可能性、奥深さを感じとっていただければと思います。ワークショップやギャラリートークもしますので、ぜひ足を運んでいただきたいです。

それと、ずっと海外で個展をやりたかったのですが、このたび9月にドイツのミュンヘンで個展を開くことになりました。いまはその個展のために、作品を制作しているところです。2009年に娘が生まれて、彼女をモチーフにした作品もあります。美術の歴史や街並みも古く、職人さんも多いヨーロッパで、私の作品が見てくださる方の目にどう映るのか、今からとても楽しみです。この個展をしっかりと成功させて、そして、これを足がかりに私も本田選手や香川選手のように、日本を代表する切り絵作家として、活動していきたいですね。

福井利佐が選んだベスト11

静岡県出身で選ぶベストイレブン!

え?ベストイレブンですか!う~ん、じゃあ、静岡県出身で選びましょう!まず、やっぱり三浦知良選手、川口能活選手、あと中山雅史選手は絶対ですね。それと、長谷川健太選手、大榎克己選手、堀池巧選手の三羽ガラスも有名でしたから入れたいです。それと、日本代表を見ていて知ったのですが、キャプテンの長谷部誠選手とウッチー(内田篤人)も静岡県出身ですよね。う~ん、あと3人ですか。結構、大変ですね、これは(笑)。あ、あと澤登選手もいた!すごくキックのうまい選手ですよね?伊東選手もいましたね。目立つ選手ではなかったと思いますが、いぶし銀のプレーが印象的でした。う~ん、あと一人ですよね。(小野伸二選手はどうですか?)あ、知っています!

そうだ、静岡でしたね。天才サッカー少年がいるって、とても有名でした。これで11人ですね! 監督は…え?私がやるんですか?あ、でもこのメンバーなら大丈夫かな。だって、みんな現役の日本代表選手か経験者じゃないですか。ウッチーには守備を頑張ってもらうことになりますが、前線が強力ですし、汗かき役の選手もいるから、いいバランスですね。こんな素晴らしい選手たちを輩出しているなんて、やっぱり静岡ってすごいですね!あ~よかったです、11人を決められて(笑)。

福井利佐 プロフィール

福井利佐(フクイ リサ)

福井利佐プロフィール

切り絵作家。1975年静岡県出身。東京在住。精緻な観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で、観る者を圧倒させるような生命力のある線の世界を描き出す。Reebokとのコラボレーションスニーカーや、アーティスト中島美嘉のジャケット・ステージ装飾、手塚治虫×福井利佐by UNIQULOでのTシャツデザイン、桐野夏生氏の小説への挿画や装丁など、多方面で活躍中。最近の仕事として、宝生流 和の会のメインビジュアル制作、NHK短編小説集「グッド・バイ」の映像制作、NHK BS「猫のしっぽカエルの手」オープニングタイトル制作、J-WAVE TIMETABLE表紙アートワークなどがある。静岡での個展「切り絵を魅せる~福井利佐の世界~」は8/4~9/17まで、駿府博物館にて。

展覧会特設サイト   http://fukuirisa2012.com/web/
福井利佐公式サイト  http://www.risafukui.jp/

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