サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

第95回天皇杯、大会の醍醐味であるジャイアントキリングを起こし、その象徴たるゴールを表彰する「SURUGA I DREAM Award」にはFC町田ゼルビアのストライカー・鈴木孝司選手のゴールが選ばれました。その鈴木選手に名門・名古屋グランパスを撃破したアディショナルタイム弾の裏話と、今後の自身の夢についてたっぷり語ってもらいました。

「外しても延長戦で続きができる」 格上との試合で感じた開き直りとゲームの楽しさ

今回の天皇杯で「SURUGA I DREAM Award」をいただきました。まずは素直に嬉しいです。
ただ、あのゲーム(15年9月9日/名古屋市港サッカー場/1-0で町田が勝利)を振り返ると、名古屋は若手主体のメンバーだったので、ちょっと残念だなという気持ちと、その反面、チャンスだなという気持ちが混ざった少し不思議な気分でした。
ゲームについてはこっちのほうがチャンスは多かったですし、向こうには大きな決定機は与えなかった記憶があります。チームとして集中して入れていましたので、セットプレーだけ注意しようという共有もできていました。
ただ、それでも向こうは格上ですし、0-0でゲームが進めばプレッシャーがかかるのは向こうなので僕らは落ち着いていました。その焦りがアディショナルタイム(90+3分)弾につながったのかな、と思います。
PKもちょっと不思議な気分でした。基本的には入る気しかしなかったんですけど、もし外しても延長戦があるし「まだこの試合でプレーできる」という変な開き直りと、ゲームを楽しんでいる自分を感じていました。
結果、しっかりキーパーの逆をとったキックができたのですが、それはひょっとしてサポーターのおかげかもしれません。ちょうどPKのゴール裏には平日にも関わらず遠くから来てくれた町田のサポーターが大勢いたので、落ち着いて蹴ることができました。
 

4シーズンぶりのJ2で2ケタ得点を狙う 「常にゴールを意識したプレーを」

今季は4季ぶりのJ2となります。開幕を前に目標や抱負、夢などを質問されますが、僕はけっこう現実的に物事を考えるほうなので、直近のシーズン、ゲームだけを考えるようにしています。その結果、ステップアップできるといいなと思っています。
今季で言うと、昨季のように目の前の1試合1試合に集中していきたいなと思います。個人的には2ケタ得点を目指したいですね。
やはり天皇杯のように高いレベルでサッカーしたのは楽しかったですし、普段は気付かないことがたくさんある。今までのプレーでは通用しない部分も今季は出てくると思いますが、それをきっかけに成長できると思うと、それも楽しいですね。
僕は身体能力も決して高くないし、絶対的な技術があるわけでもない。早くからボールを呼び込む準備、駆け引きの技術、個人で突破する能力、シュートレンジ……、課題はたくさんあります。
そんな中でも常にゴールを意識したプレー、ゴールにつながるプレーを続けることができるように考えて考えて毎日のトレーニングとゲームに向かう。今はそれだけです。
 

鈴木 孝司が選んだベスト11

鈴木孝司が選んだ 「夢のベスト11」

マンチェスター・ユナイテッドが好きなので監督はファーガソンにお願いします。そうなるとGKはシュマイケルになりますね。
システムはバッジオに憧れがあるので、彼をトップ下で最大に活かす4-2-1-3を採用して、そのサポートにイニエスタとシャビ・アロンソ。
ディフェンスラインはとにかくうまいブラジル人をサイドに置いて、真ん中はリーガを支えた名ディフェンダーに任せます。
前線はアルゼンチン人で固めます。メッシは本来、左サイドから勝負して欲しいのですが、そこはレジェンドに譲ってもらって右に回します。トップは個人技でも連携でも何でもできるアグエロですね。
マンUとアルゼンチン代表、あとはリーガを中心としたかなり強いチームになりましたね。最後に「スーパーサブに鈴木孝司」と言いたいところですが、この並びを見ると僕なんてまだまだなので今はまだ言いません。もし入ったらアグエロの位置に入っていいラストパスを待ちますが、いつかそうなれるように、またトレーニング頑張ります。
 
【ベスト11】
フォーメーション:4-2-1-3 監督:アレックス・ファーガソン
※()内は鈴木選手が印象に残っている時代の所属チーム
GK
ピーター・シュマイケル(マンチェスター・ユナイテッド)
DF
右からカフー(ブラジル代表)、ハビエル・マスチェラーノ(バルセロナ)、ファビオ・カンナバーロ(イタリア代表)、左にマルセロ(レアル・マドリード)
MF
ボランチ右にアンドレス・イニエスタ(バルセロナ)、左にシャビ・アロンソ(レアル・マドリード)、トップ下にロベルト・バッジオ(イタリア代表)
FW
右にリオネル・メッシ(バルセロナ)、真ん中にセルヒオ・アグエロ(アルゼンチン代表)、左にディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン代表)

鈴木 孝司 プロフィール

鈴木 孝司(スズキ コウジ)

鈴木 孝司プロフィール

1989年神奈川県出身。桐光学園から法政大学に進学し、12年にFC町田ゼルビアに入団。13年にチームはJFLに降格するが、翌14年に立ち上げられたJ3リーグで19得点を記録し初代得点王となる。昨季もチーム最多の12得点を挙げ、大分とのJ2・J3入れ替え戦でも2戦連続でスコアするなどJ2昇格の原動力となった。16年シーズンは4季ぶりのJ2に挑む。
 

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