サッカーを愛して止まないあの人の ゆめのはなし

第97回天皇杯でJクラブを相手に3戦連発5得点という結果を残し、筑波大をアマチュア唯一のベスト16進出に導いた中野誠也選手。大会の醍醐味であるジャイアントキリングを起こし、その象徴たるゴールを表彰する「SURUGA I DREAM Award」にチームメイトの三笘薫選手と共に輝いた。ジュビロ入りが内定しているストライカーの夢とは?

ジュビロ下部組織から筑波経由で、新たな武器を得て再びジュビロへ

サッカーを始めたのは5歳の時、2コ上の兄貴の影響です。他のスポーツはあんまりした記憶がないですね。ゴンさん(中山雅史/アスルクラロ沼津)に憧れて、ポジションの取り方、オフ・ザ・ボールの動きなどを目標にしながら、ずっとボールを蹴ってきました。
ジュニア・ユースからジュビロにお世話になりました。クラブユース選手権(adidas CUP/U-15)の決勝でエスパルス相手に2得点したけれど負けてしまったのは、良くも悪くも思い出深いですね。
その後、ユースにあがりトップを目指していましたが、昇格はできなかったんです。ジュビロのトップでプレーするのはもちろん夢でしたので、「悔しい」という感情が先に来ましたが、その一方で「まだ足りないものがあるんだ」と筑波大学への進学に切り替えました。
今、振り返るとそれが良かったのかな、と思えます。ジュビロと筑波はまた違ったサッカーをしていて、特にクロスやロングボールなど、どんなボールにも反応できるようになってきたかなという気はしています。
また、より考えてポジションを取れるようにもなりました。高校までは感覚的にプレーしてきた部分があったんですけど、アナライズのスタッフが試合前に相手の情報をくれることもありますし、自分で相手を観察する場合もあります。とにかく相手の嫌なところを突くようなポジショニングを常に意識できるようになってきました。理想はアグエロ(セルヒオ/マンチェスター・シティ)選手や、岡崎(慎司/レスター・シティ)選手です。
 

SURUGA I DREAM Award史上初のW受賞

賞をいただいたゴールを挙げた仙台戦(2回戦2017年6月21日/ユアテックスタジアム仙台)ですが、逆転されてチームが苦しい時間帯でしっかり取れたので、そこが良かったかなと思います。CKでゾーンのウィークポイントをうまく突けましたし、何よりも折り返してくれた小笠原(佳祐/DF)に感謝ですね。
あとは薫(三笘/MF)の先制ゴールがとにかくすごかったですね。あれは彼にしかできないプレーです。
まだ高校生時代に練習参加に来た時から「こいつと一緒にプレーしたいな。こいつからボールを受けるの面白そうだな」と思っていて、この2年間、いい関係でプレーできていたと思います。
彼は決定的なパスを出せる選手なので、あのゴールは僕も北川(柊斗/FW)も本気で受けようと思って走っていました。だから相手のディフェンスも食いついてくれて、うまく囮になれましたね。そういう風に使ってくれてありがたいゴールでした。
個人的にはアビスパ福岡戦(3回戦/2017年7月12日/Ksスタジアム)の頭で決めたゴールも記憶に残っています。あとで映像で見返したんですけど、あれ、明らかにもっと前で欲しがっていたんですよね。クロスがちょっと後ろに詰まってしまったんですけど、上がった瞬間に身体を戻せて。昔だったらできなかったかもしれません。いい準備ができたゴールだと思います。
天皇杯という大会は、練習試合と違った公式戦の緊張感の中でプロとプレーできる貴重な機会ですし、そこでの経験は本当に貴重だと感じています。そういう舞台で賞をいただいて、本当に光栄です。決勝のピッチに今度は選手として立ってみたいですね。
 

憧れのサックスブルーへ里帰り。ゴールする日を夢見て

今季からまたジュビロ磐田でお世話になります。
すでに練習に参加させてもらっていますが、小さい頃からヤマハスタジアムでプレーしている姿を観ていた、名波(浩)監督をはじめ、鈴木秀人コーチや、服部(年宏強化部長)さんのアドバイスを受けられるのは、何と表現していいか分からないくらい光栄なことですね。
名波監督の印象は「本当に見えているな」という感じです。結果、ボールが出なかった場面でも「今のはいいタイミングの動き出しだった」とか「もっとこう走った方がいい」とか声をかけてくれるので、モチベーションにもなりますし、ボールが出なくてもいつも質の高い準備をしないといけないんだなという緊張感も生んでくれています。
ただ、やはりプロのレベルは厳しいです。まずはあのスピード感に慣れて耐えて跳ね返すくらいの力をつけないといけないですね。スピードは僕の持ち味ではありますが、パスのスピード、寄せや当たりの速さ、判断のスピードが、すべて一個上がります。
ただ、筑波での4年間や、今回の天皇杯であれだけできた経験は大きな自信にもなっているので、なんとかあのレベルに食らいついていきたいです。将来的には代表入りや、できるなら海外挑戦も夢ではありますが、まずは育ててくれたジュビロに恩返しをしたい。そのためには試合に出て、ゴールにこだわって、目の前の課題を一つ一つ乗り越えていきたいです。
 

中野 誠也が選んだベスト11

インパクトの強い日本のベスト11

フォーメーション:4-4-2 監督:名波浩
GK:
川口能活
DF:
内田篤人、吉田麻也、中澤佑二、長友佑都
MF:
ディフェンシブ:小野伸二、名波浩
オフェンシブ:香川真司、中村俊輔
FW:
岡崎慎司、中山雅史
 
 
監督はプレイングマネージャーとして、今でもボールタッチがものすごい名波さんにお願いしたいです。
GKは日本のピンチをどんだけ救えば、というほど救っていた川口選手。ジュビロ在籍時代にヤマハスタジアムのゴール裏でボールボーイをやらせていただいたのはいい思い出です。
右の内田選手はやはり攻撃に参加して、天皇杯決勝(第87回2008年1月1日)みたいなゴールを挙げて欲しいですね。逆は長友選手。前に行く力という意味では内田選手と同様に本当にすごいです。CBは現在の守備の要である吉田選手とあらゆる面で強い中澤選手を。
中盤は「単純に観たい」という理由で選びました。どんなサッカーでもできそうですし、香川選手が前を向いて勝負できる局面が増えそうなのでワクワクしますね。
2トップもシンプルに「憧れていて、見習いたいプレースタイルの2選手」です。逆に言うとこの二人だからこそ、中盤にはどこからもチャンスメイクできるMFを置きました。サイドから勝負もできるので頑張って走ってもらいたいです。
 

中野 誠也 プロフィール

中野 誠也(ナカノ セイヤ)

中野 誠也プロフィール

1995年静岡県出身。ジュビロ磐田U-15、U-18に所属し、高校卒業後は筑波大に進学。質の高いオフ・ザ・ボールの動きと高い決定力を武器に、チームを16年のインカレ優勝など多くのタイトルに導いた。第97回天皇杯ではJクラブを相手に4試合5得点を記録し、SURUGA I DREAM Awardと共に得点王に輝く。18年シーズンから古巣ジュビロ磐田でプロとしてのキャリアをスタートさせる。172cm、67kg。
 

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